長崎県議会 > 2022-06-14 >
06月14日-04号

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  1. 長崎県議会 2022-06-14
    06月14日-04号


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    最終取得日: 2023-06-13
    令和 4年  6月 定例会令和4年6月定例会                 令和4年6月14日               議事日程                               第9日目----------------------------------- 1 開議 2 県政一般に対する質問 3 散会令和4年6月14日(火曜日)出席議員(45名)     1番  宮本法広君     2番  石本政弘君     3番  赤木幸仁君     4番  中村泰輔君     5番  饗庭敦子君     6番  堤 典子君     7番  清川久義君     8番  坂口慎一君     9番  千住良治君    10番  下条博文君    11番  山下博史君    12番  北村貴寿君    13番  浦川基継君    14番  久保田将誠君    15番  中村一三君    16番  宮島大典君    17番  麻生 隆君    18番  川崎祥司君    19番  山口経正君    20番  吉村 洋君    21番  坂本 浩君    22番  深堀ひろし君    23番  大場博文君    24番  近藤智昭君    25番  宅島寿一君    26番  山本由夫君    27番  松本洋介君    28番  ごうまなみ君          欠番    30番  中島浩介君    31番  前田哲也君    32番  堀江ひとみ君    33番  溝口芙美雄君    34番  中山 功君    35番  小林克敏君    36番  山口初實君    37番  山田朋子君    38番  西川克己君    39番  浅田ますみ君    40番  外間雅広君    41番  徳永達也君    42番  中島廣義君    43番  瀬川光之君    44番  坂本智徳君    45番  田中愛国君    46番  八江利春君-----------------------------------説明のため出席した者  知事             大石賢吾君  副知事            平田修三君  副知事            平田 研君  統轄監            柿本敏晶君  危機管理監          多田浩之君  企画部長           浦 真樹君  総務部長           大田 圭君  地域振興部長         早稲田智仁君  文化観光国際部長       前川謙介君  県民生活環境部長       貞方 学君  福祉保健部長         寺原朋裕君  こども政策局長        田中紀久美君  産業労働部長         松尾誠司君  水産部長           川口和宏君  農林部長           綾香直芳君  土木部長           奥田秀樹君  会計管理者          吉野ゆき子君  交通局長           太田彰幸君  地域振興部政策監       渡辺大祐君  産業労働部政策監       村田 誠君  教育委員会教育長       中崎謙司君  選挙管理委員会委員      久原巻二君  代表監査委員         下田芳之君  人事委員会委員        中牟田真一君  公安委員会委員        瀬戸牧子君  警察本部長          中村 亮君  監査事務局長         上田彰二君  人事委員会事務局長労働委員会事務局長併任)                 大崎義郎君  教育次長           狩野博臣君  財政課長           小林 純君  秘書課長           大瀬良 潤君  選挙管理委員会書記長     大塚英樹君  警察本部総務課長       車 康之君-----------------------------------議会事務局職員出席者  局長             黒崎 勇君  次長兼総務課長        藤田昌三君  議事課長           川原孝行君  政務調査課長         濱口 孝君  議事課課長補佐        永尾弘之君  議事課係長          山脇 卓君  議事課会計年度任用職員    天雨千代子君-----------------------------------     -午前10時0分 開議- ○副議長(山口初實君) ただいまから、本日の会議を開きます。 これより、昨日に引き続き、一般質問を行います。 中村泰輔議員-4番。 ◆4番(中村泰輔君) (拍手)〔登壇〕おはようございます。 改革21、国民民主党の中村泰輔でございます。 本日、傍聴にお越しの皆様、また、インターネットでご覧いただいている皆様、誠にありがとうございます。 一問一答方式にて質問をいたしますので、よろしくお願い申し上げます。 1、知事の政治姿勢について。 (1)子育て政策、人口減少対策について。 ①知事選の公約の進捗。 前の3月定例会の予算総括質疑で確認いたしましたが、大石知事が選挙戦で掲げられた出産費用全額負担、おむつ支給、18歳までの医療費助成等の子育て政策に関する公約について、今回の6月定例会の補正の政策的肉付け予算には含まれていないようです。 そこで、現在の公約実現の進捗状況をお尋ねいたします。 ○副議長(山口初實君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) 〔登壇〕中村泰輔議員のご質問にお答えいたします。 私は、子どもを産み、育てたいと思う環境づくりに力を注いでいきたいと考えており、今回の補正予算では、新たな住宅対策など、直ちに実行が可能なものを計上し、速やかに取組を進めてまいります。 また、子育て支援策の充実に向けては、事業主体となる市町と意思疎通を図りながら、連携して進めていく必要があると考えております。 このため、まずは他県の事例を調査しながら、市町との協議に向け、県として実施する事業内容について、庁内での議論を深めているところであります。 以後のご質問については、自席から答弁させていただきます。 ○副議長(山口初實君) 中村泰輔議員-4番。 ◆4番(中村泰輔君) 知事就任後、約100日ばかりなのか、こちらにございます知事選の公約、こちらはなかなか具体的な進捗はないように感じました。(資料掲示) ②公約実現までのスケジュールと予算確保の見通しについて、お尋ねいたします。 ○副議長(山口初實君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) 子育て政策についてという理解でお答えをさせていただきます。 国においては、「経済財政運営と改革の基本方針2022」の中で、出産育児一時金の増額をはじめとして、経済的負担の軽減についても議論を進めるとされております。 庁内での議論に当たっては、こうした国の少子化対策の動向なども注視しつつ、事業内容や財源について検討し、県としての考え方を整理しております。 いずれにしましても、事業の実施に向けては市町との丁寧な議論が欠かせないことから、できるだけ早期に市町との協議に入りたいと考えております。 ○副議長(山口初實君) 中村泰輔議員-4番。 ◆4番(中村泰輔君) 予算やスケジュールを市町と議論するための準備を今まさにされているのかなと感じました。 今回の答弁から、残念ながらスピード感を感じることは難しいんですけれども、前向きに解釈すると、確実に進めていくという意思のあらわれと理解しておりますが、その理解でよろしいでしょうか。 ○副議長(山口初實君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) 子育て支援の充実は、ぜひ実現したいと考えておりますが、先ほどお答えしたとおり、市町とのしっかりとした協議が必要と考えております。 そのため、事業主体となる市町と意思疎通を図るための議論を丁寧に行い、できるだけ早期の実現を図ってまいりたいと考えています。 ○副議長(山口初實君) 中村泰輔議員-4番。 ◆4番(中村泰輔君) 前の3月定例会でも、自主財源が乏しい長崎県において、大変な挑戦をしようとしていると申し上げました。特に、所管のこども政策局の負荷には配慮していただきたいとお願いもしております。よって、ここは焦らずに、丁寧にやっていただければと思います。 しかしながら、いつまでもずるずるとやるわけにはいきませんので、知事が全体を見ながら、適切に人的リソース等の調整をお願いしたいと思います。 ③令和4年度人口減少対策における「新しい視点」とは。 こちらの6月補正、新しい視点や発想で取り組む人口減少対策の資料について、お伺いします。(資料掲示) 一般質問一日目に、この「新しい視点」について、知事からも答弁がなされました。しかしながら、この資料を見ても、何が新しい視点や発想なのか、申し訳ないですが、正直理解がしがたいです。むしろ、この資料の各施策を見ても、前知事のよい政策を継承するというようにとれますが、そのような理解でよろしいでしょうか。 ○副議長(山口初實君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) 人口減少対策については、県政における最重要課題と認識しておりまして、引き続き、全力で取り組んでまいりたいと考えております。 社会減対策において、UIターンの対策や高校生の県内就職の促進、企業誘致による雇用創出など、具体的な成果があらわれているこれらの政策については、しっかりと継承しながら、さらなる充実・強化を図ってまいりたいと考えています。 一方、自然減については、近年、急速な拡大傾向にありまして、これまで取り組んできた結婚支援などに引き続き取り組むとともに、今後は、子育て支援策の充実・強化に力を注ぐなど、これまで以上に重点的に取り組んでまいります。 さらに、子育て環境の充実や、若者、女性がやりがいを感じられる環境づくりを進めることで、子育て世代のUIターンにもつなげるなど、自然減対策と社会減対策を効果的に連動させるような視点も持ちながら、人口減少対策の推進に全力を注いでまいりたいと考えています。 ○副議長(山口初實君) 中村泰輔議員-4番。 ◆4番(中村泰輔君) 社会減については、継承していくべきものは継承していくと、意思をはっきりと改めて示されたと受け取っております。 しかしながら、全国最年少の現役パパの知事が、自然減著しい長崎県で誕生したこと、これは自然減対策、子育て政策を求める県民の意思だと、私もはっきりと思います。 公約の実現は、今後も確認させていただきますが、「子育てと言えば長崎県」と認知させるべく、大石知事が子育て政策について、これからも日本全土にアピールされることをご支援してまいります。 ④教育先進県としてのAIドリル導入について。 昨年の一般質問等を通して、AIドリルの導入推進についてお願いをし、今回の6月補正にて小・中学生を対象にしたICTを活用した子どもの学習環境の改善という内容で予算議案が上程されました。ありがとうございます。 確認すると、学校外での自主的な学習の充実を図ることが目的とされています。 しかし、デジタル化の弊害は、紙ではないため、確認作業がしづらく、保護者が子どもの学習状況を把握しにくいという懸念が考えられます。 そこで、成果を上げていくための保護者の教育や理解を得るための方法について、お尋ねをいたします。 ○副議長(山口初實君) 教育委員会教育長
    教育委員会教育長(中崎謙司君) 先ほど、議員の方からお話がありましたとおり、今年度、新たに離島部と本土部の小・中学校をモデル校として指定しまして、AIドリルを活用した自主的な学習を充実させることで、子どもたちの学力向上を図ってまいりたいと考えております。 本事業におきましては、協議会を設置いたしますけれども、そこにPTA関係者にも委員として加わっていただきますので、保護者の視点から、モデル校の取組を通しましてAIドリルの学習についてのアドバイスをいただくことにしております。 また、この事業によって得られましたAIドリルの有効性や活用方法につきましては、「これからの時代の学校外での学習のあり方」としまして、リーフレット等にまとめて、学校や保護者に広く周知してまいりたいと考えております。 ○副議長(山口初實君) 中村泰輔議員-4番。 ◆4番(中村泰輔君) よろしくお願いいたします。 計算ドリルと漢字ドリルを購入する費用を合わせれば、AIドリルを購入する費用と変わらないと私は考えています。 既に、県下2市町で保護者が負担をしているところもあるようです。保護者がAIドリルの価値を理解して、保護者負担によって普及を加速していくべきだと私も考えておりますので、よろしくお願いします。 関連質問です。 既に18市町でAIドリルが導入されています。しかしながら、AIドリルは、アプリケーションや運用ともに発展途上のものでございます。18市町でこれから蓄積されている知見を、県が主体となって共有していくことが重要だと思いますが、県下21市町との連携について、お尋ねいたします。 ○副議長(山口初實君) 教育委員会教育長。 ◎教育委員会教育長(中崎謙司君) 現在、県が設置しております「GIGAスクール推進サイト」におきまして、AIドリルの活用に関します県内小・中学校の実践事例、あるいは全国の優れた先進事例を随時掲載しておりまして、各市町に活用いただいているところでございます。 また、「GIGAスクール構想」の実現を図るために、全市町の教育委員会が参画しました「情報化推進会議」を設置しておりますので、今後は、AIドリルの効果的な活用につきましてもテーマとして取り上げて、市町と情報交換を進めてまいりたいと考えております。 ○副議長(山口初實君) 中村泰輔議員-4番。 ◆4番(中村泰輔君) よろしくお願いします。 AIドリルは、デジタルデータでございます。学習状況、学習度、これらのいわゆるビッグデータを活用できれば、AIドリルの効率的な運用につながると思います。国とも連携しながら取り組んでいただきたいとお願いして、次の質問に移ります。 (2)令和4年3月23日の佐賀県山口知事との対談について。 ①西九州ルートに関する佐賀県に対する今後の取組。 大石知事におかれましては、去る3月23日、佐賀県庁で山口知事と対談されました。 その際、山口知事から九州新幹線西九州ルートについて切り出され、これまでの経緯など、佐賀県の思いも含めて説明されており、その中で山口知事は、長崎県が全線フル規格を求めたことについて、「今まで一緒にやってきた長崎県が豹変した」との表現で、その時から両県の関係が話し合いの場を持てないような関係になったとの考えを示されました。 しかしながら、当時はフリーゲージトレインの開発が難しくなった状況にあり、本県議会においては、その解決策として、フリーゲージトレインで果たされるはずであった新大阪までの直通運行を実現するために、全線フル規格による整備を求める声が大きくなるなど、議論が活発になされていた状況でございました。 当時は、両県は西九州ルートについてしっかりと議論を交わしていた関係にあり、また、与党PT検討委員会のヒアリングの際には、県としてもフル規格の考え方を示したものであり、その後も議論ができる関係にあったと伺っており、決して豹変したわけではないと考えています。 西九州ルート全線フル規格を実現するためには、佐賀県のご理解が必要ではありますが、一方で、本県の考え方をしっかりと伝えていく必要があると考えています。 今後、県として、佐賀県に対してどのように取り組んでいかれるのか、知事の考えをお尋ねします。 ○副議長(山口初實君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) 人口減少が喫緊の課題である本県にとって、西九州ルートの関西直通運行により、交流人口の拡大を図ることが必要であります。 本県としては、フル規格による整備の実現が重要であるというふうに認識をしております。 一方、議員もおっしゃっていただいたとおり、本県の考えだけでは整備は実現できるものではなく、佐賀県の理解が不可欠であります。 このため、知事就任の挨拶として、佐賀県の山口知事と会談をし、西九州ルートについては、佐賀県が考える課題を解決し、西九州地域全体でメリットを享受できるよう知恵を絞っていきたいことをお話いたしました。 佐賀県の課題を解決し、議論を前進させるためには、まずは、佐賀県と率直に話し合える関係をつくり、議論を交わすことが重要であります。 今後は、佐賀、長崎両県がそれぞれの考えをしっかりと話しながら、議論を深めてまいりたいと思います。 ○副議長(山口初實君) 中村泰輔議員-4番。 ◆4番(中村泰輔君) 知事のお人柄で、山口知事と近くなられたと、県民も感じておられる方も多くいらっしゃいますので、ぜひとも密にコミュニケーションを取っていただいて、佐賀県の理解を得ていただくように努力していただくとともに、両県がしっかりと考えを伝えると、今知事もおっしゃっていただきましたので、そこを改めてお願いして、次の質問に移ります。 (3)知事の厚生労働省の経歴とコロナとたたかう医療専門家としての公約について。 ①令和4年3月定例会の厚生労働省の経歴に関した質問に対する答弁。 前3月定例会の一般質問において、厚生労働省には千葉大学から出向したのかどうかという質問に対して、「千葉大学を退職して厚生労働省に入職して、厚生労働省の国家公務員として勤務していた」と知事は答弁なされました。こちらの前の3月定例会の議事録を読みますと、(議事録掲示)知事は、この答弁の前の質問で、「どんな形であれ、年度の仕事が終われば長崎に帰ってくる」と発言をなさっております。 省庁の仕事は、令和2年度と令和3年度の2年間だけだったと、最初から決まっていたのかなと、私はこの議事録を改めて読んで感じた次第です。一般的に県庁職員の皆さんが省庁に出向する場合、一度県を退職して、出向することになるようです。 改めて大石知事に確認いたしますが、厚生労働省には千葉大学から出向なされたのでしょうか。 ○副議長(山口初實君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) 前回もお答えしましたとおり、千葉大学は退職をしております。 厚生労働大臣から、令和2年4月1日付で厚生労働技官医政局地域医療計画課救急・周産期医療等対策室長補佐に採用するという辞令を受けて入省をしております。 ○副議長(山口初實君) 中村泰輔議員-4番。 ◆4番(中村泰輔君) 前回と同じご答弁だったと思います。私は、出向を千葉大学から厚生労働省にされたのかをお伺いいたしました。その質問について、改めてお尋ねします。 ○副議長(山口初實君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) 出向という形じゃなく、一旦退職をして入職をしたということが事実でございます。 ○副議長(山口初實君) 中村泰輔議員-4番。 ◆4番(中村泰輔君) 退職をされたということでですね、県庁職員もそういう形で入庁されるんですけれども、それでは聞き方を変えさせていただきます。 出向ではないということであれば、長崎県知事選挙に出馬する前の退職金、これは厚生労働省から得たという理解でよろしいでしょうか。 ○副議長(山口初實君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) 退職金につきましては、退職時に在職をしていた国立研究開発法人日本医療研究開発機構から支給されたものでございます。 ○副議長(山口初實君) 中村泰輔議員-4番。 ◆4番(中村泰輔君) わかりました。退職金がAMEDですかね、AMEDから出たということであれば、出向ではないというように解釈できますので、一旦そこで質問を終わらせていただきたいと思います。 ②コロナとたたかう医療専門家としての「県独自の対策」について。 コロナとたたかう医療専門家として、県独自の対策を行うことをアピールされて長崎県知事選挙を制された大石知事、今求められる感染対策の緊迫感は、以前より下がっていると思います。 しかしながら、県民は、今後の有事における知事の対応について注目をしております。今後、過去にないほどの脅威のウイルスが到来した場合を想定して、県独自の対策として具体的にどう対応しようとされているのか、お尋ねいたします。 ○副議長(山口初實君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) 新型コロナウイルスの特性及び現在までの状況を踏まえると、コロナの完全な収束は現実的ではないというふうに思います。 私は、今後、コロナの対策につきましては、コロナとの共生を図っていく必要があると考えています。 このため、目の前の感染対策はもとより、今後、感染が再拡大した場合にも備えて、医療の専門家としての視点を活かして、県民の皆様が身近な医療機関で診療・検査を受けられる体制をしっかり構築するとともに、高齢者施設の入所者等、重症化リスクの高い方に対しては、対策を強化していくことが重要であると考えています。 具体的には、検査や診断が受けられる医療機関を増やしつつ、地図上で公表するとともに、長崎大学病院と連携し、平時から各医療機関において、院内での感染症に対応する多職種による診療チームの育成や、医療機関の現地指導まで実施する医療従事者の人材育成も行っています。 また、高齢者施設への支援を迅速に行えるよう、医師会と協力し、医療圏ごとに支援医療機関をリスト化いたします。 さらに、クラスター発生施設で活動する医療支援チーム長崎CovMAT」に新たにリハビリ専門職に参加いただくことで、リハビリテーションへの助言体制も構築をいたします。 一方、後遺症への対策も重要であることから、かかりつけ医などを後遺症外来の一次医療機関、より専門的な診療ができる地域の中核病院を二次医療機関と位置づけ、長崎大学病院には三次医療機関として役割を担っていただける体制を構築したところであります。 私としましては、これまで以上に、長崎大学や医師会等の関係団体との連携を深め、こうした新たな取組に、さらなるご協力、ご支援をいただきながら、県民の皆様が安心して生活できるよう、引き続き、コロナ感染症対策に力を注いでまいりたいというふうに考えています。 ○副議長(山口初實君) 中村泰輔議員-4番。 ◆4番(中村泰輔君) 「コロナとたたかう医療専門家」ということ、あと「県独自の対策」と、これまでずっと言われておりましたけれども、非常に具体的に述べていただいたと私は感じました。 大石知事の医師会とのパイプを活かされて、デジタル化の話もございましたし、後遺症外来をより踏み込んで今度されているということで、また医療圏ごとのリスト化と、こういったところは地域ごとに恐らく感染状況が違ってきた時に、また活かされると思いますし、ぜひとも今後、大きな波がこないことを望むところでございますけれども、有事の対応をお願いして、次の質問に移ります。 (4)知事選挙での公職選挙法に関する県民団体の動きについて。 ①知事の受け止めと対応状況。 541票差というまれに見る僅差で長崎県知事選挙を制し、全国最年少知事となった大石知事、全国的にも注目された選挙となりましたが、その後に大石知事の公職選挙法違反を告発する県民団体の動きについて、NBC(長崎放送)、KTN(テレビ長崎)、NIB(長崎国際テレビ)の3つの民放で報道され、ツイッター等のSNSにおいても、この話題について今でも発信がなされております。 大石知事に任命され、選挙参謀という総括主宰者として、選挙運動を行ったと言われる大濱崎卓真氏が代表取締役社長を務める東京の選挙コンサルタント会社ジャッグジャパン株式会社に対して、電話代として402万円を支払ったことが報道でも伝えられています。 確かに、こちらの報告書を見ますと、(資料掲示)電話代として402万82円と、大石知事が長崎県選挙管理委員会に提出された選挙運動費用収支報告書、こちらに書かれております。(資料掲示) 長崎県が公式に運営する大石知事のツイッター「県庁知事室」等のアカウントあてにも、県民の方のみならず、全国の方から寄せられた本件に関するコメントが見えるようになっています。「長崎県は大丈夫か」と、私も全国の知人からお声をいただきました。 今、長崎県がこうした状況にあることを、私は大変憂えております。今回の一般質問で、「長崎県は大丈夫だ」と大石知事におっしゃっていただきたい。長崎県民の皆さんと本県に関心のある全国の皆さんを安心させてください。そのために質問します。 また、来週水曜日、22日から参議院選挙がはじまりますので、公職選挙法に基づいた選挙運動資金の問題について、議場の場で改めて質疑しなければいけません。 ジャッグジャパンについて、同社ホームページを確認しました。ジャッグジャパンは、電話会社ではございません。選挙コンサルタント会社です。 そこで、大石知事に、2点お尋ねいたします。 1、大石知事は、長崎県知事の選挙において、ジャッグジャパン株式会社代表取締役社長の大濱崎卓真氏を選挙コンサルタントに起用し、選挙運動を行わせましたか。SNSでも複数の県民が、選挙中に長崎で大濱崎氏を目撃しており、大濱崎氏ご自身のYouTubeでも、ご本人が選挙運動をやっていたと、そのようにとれることをおっしゃっています。 2、ジャッグジャパン株式会社に対して、電話代として支払われた約402万円は、具体的に何の対価として支払われたものなのか、本当に全額電話代でしょうか、ご答弁願います。 ○副議長(山口初實君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) まず、私が、適切に選挙運動を行ったということをしっかりとお話していただきたいということでございました。 私としましては、公職選挙法にのっとって知事選挙、選挙運動をしっかりと行ったというふうに考えております。そのうえで、ご質問にお答えいたします。 まず、1つ目のご質問、大濱崎卓真さんとの関係ということですけれども、通常、普段からお話をする取引先でございます。ただ、選挙運動に関して費用が発生するような、そういったことはありませんで、全ては報告書に載っているものが全てということになります。 2つ目の質問の通信費の402万円の部分ですけれども、これはあくまでオートコールなどの通信費の支出でありまして、コンサルタント料については含まれていないということです。 ○副議長(山口初實君) 中村泰輔議員-4番。 ◆4番(中村泰輔君) ご答弁ありがとうございます。はっきりとおっしゃっていただいたと思います。ありがとうございます。 まず、大濱崎卓真氏が選挙運動を行ったのかというようなことについては、それはないということで理解をしました。 続きまして、ジャッグジャパン株式会社に電話代として支払われた402万円は、全額オートコールということで理解をし、例えばコンサルタント費用、そういったものは入っていないということで理解しましたが、それでよろしいでしょうか。 ○副議長(山口初實君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) 1つ目のご質問について、選挙費用報告書の中に発生している以外の支出が、報酬が発生している事実はございません。それが全てでございます。 2つ目のことにも、コンサルタント料が含まれていないということで間違いありません。 ○副議長(山口初實君) 中村泰輔議員-4番。 ◆4番(中村泰輔君) 改めて確認させていただきました。非常に明確におっしゃっていただいたので、私も知事を信じてよいということで、今、その答弁が議場の場ですので、それが真実ということで、知事を信じてよいと感じたところでございます。 ②県民へのメッセージ。 改めて、長崎県民の皆さんに安心していただくために、これは質問をしておりますので、今回の件については適正であり、問題はない、心配する必要はないと、県民の皆さんに対して、改めてメッセージをお伝えいただけないでしょうか。 ○副議長(山口初實君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) 改めまして、私としましては、公職選挙法にのっとり、適切に知事選の選挙運動を行ったというふうに考えております。 今後も、引き続き、県政の課題解決と、新しい長崎県づくりに全力で取り組んでまいりたいというように考えています。 ○副議長(山口初實君) 中村泰輔議員-4番。 ◆4番(中村泰輔君) それでは、次の質問に移ります。 2、産業振興について。 (1)長崎県成長産業ネクストステージ投資促進事業について。 ①これまでの成果。 コロナ初期のちょうど2年前の議会、一般質問にて、製造業関係者の声を受けて支援を求め、県も本事業を既に検討しており、その後、予算化された本事業ですが、2年経過した今でも、製造業関係の皆さんから、本事業のおかげで新たな事業展開ができる、本当に感謝しているとの声を多くいただきます。 本事業のこれまでの成果について、お尋ねいたします。 ○副議長(山口初實君) 産業労働部長。 ◎産業労働部長(松尾誠司君) 成長産業ネクストステージ投資促進事業は、県内経済と雇用を下支えするため、成長分野に進出する県内企業を支援する事業として、これまで計4回、総額37億8,000万円の予算を措置し、合計194件の事業を採択いたしました。 本事業を活用して、造船プラント分野において、海外での製造から県内回帰する事例や、医療関連企業が県内に進出した事例など、本事業全体で、今後2年間で300人を超える雇用創出や、今後10年間で約320億円の県内発注が見込まれるなど、成長分野において具体的な成果が出ております。 ○副議長(山口初實君) 中村泰輔議員-4番。 ◆4番(中村泰輔君) 答弁ありがとうございます。事業効果が非常に高い施策であったと、大変喜ばしく思っておりますし、多くの製造業関係者の皆さんと、この施策について話をすると、本当にこれから期待ができるというか、逆に頑張っていくための意欲が出たというような方までいらっしゃいます。本当にありがとうございます。これを踏まえて、次の質問に移ります。 ②今後のさらなる推進。 今回の補正予算においてもグリーン、海洋エネルギー、航空機、半導体等の産業を中心に予算議案が上程されておりますが、本事業のような製造業全体に対する柔軟性の高い支援も必要だと考えます。 ネクストステージ補助金のさらなる推進を期待する声が製造業関係者からも聞かれますが、知事のお考えをお尋ねします。 ○副議長(山口初實君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) 本事業につきましては、造船業の不振に加え、コロナ禍で厳しい状況にあった県内製造業を下支えするとともに、成長分野への進出を後押しするため、国が創設したコロナ関係の交付金を活用して実施したものであり、一定の効果があったものと認識をしております。 一方で、県の自主財源での実施は難しいと考えておりますが、今後とも、県内の経済や雇用情勢等を踏まえながら検討してまいりたいというふうに考えています。 ○副議長(山口初實君) 中村泰輔議員-4番。 ◆4番(中村泰輔君) もともとのこの事業が、コロナの補助金が財源でございました。今後の経済動向を踏まえて判断いただけるということでしたので、改めて本当に成果というか、結果が見えた施策であって、県民の多くの製造業関係の皆さんが期待をしているということを、改めて知事にお伝えしまして、次の質問に移ります。 (2)カーボンニュートラル関連産業。 ①石炭火力発電所の高効率化。 2030年に向けて、非効率的な石炭火力発電所をフェードアウトしていくと国は計画しています。県内には、石炭火力関連産業が集積しており、既に今後の事業環境に不安を感じている事業者も多くおられます。 また、県内には、松島、松浦火力など、低効率の石炭火力発電所も存在します。 県は、石炭火力発電所の高効率化について、どのように考えているのか、お尋ねいたします。 ○副議長(山口初實君) 産業労働部長。 ◎産業労働部長(松尾誠司君) 本県の松浦市や西海市にある石炭火力発電所については、我が国の重要な電力供給拠点として、地域経済や雇用の創出を牽引していただいております。 県においては、再生可能エネルギーの導入が拡大する中で、電力の安定供給には、出力調整機能にすぐれた石炭火力の高効率化、低炭素化が必要と考えることから、石炭ガス化複合発電(IGCC)へのリプレース等について、国へ電力事業者への支援を要望してまいりました。 また、国内の石炭火力発電所の高効率化に当たっては、県内企業が培った技術の活用も見込めるなど、本県経済への波及効果も期待しているところであります。 ○副議長(山口初實君) 中村泰輔議員-4番。 ◆4番(中村泰輔君) 答弁いただきました中に、IGCC(石炭ガス化複合発電)、おっしゃっていただきました。これは、今後、松島火力等で導入されていく可能性がございます。 IGCCは、長崎の技術で、長崎の産業振興において非常に重要なものだと考えています。 現在のロシアの状況を見ると、ガスの価格はしばらく高騰し続けると予想されており、IGCCへの期待もございます。県としても状況を注視していただくことをお願いして、次の質問に移ります。 ②今後の県内洋上風力関連産業。 国は、2040年までに原子力発電所総発電電力と同等の45ギガワットを洋上風力で果たすと、導入目標を明確にして、案件形成に取り組んでいます。 今後は、いわゆる第2ラウンドとなりますが、先日、西海市江島沖が第3回の地元協議会を終え、事業者決定を待つこととなりました。 他県では、秋田県や千葉県で事業者が決定しており、国内各地で商用化の取組がはじまっています。 このように、関連産業の市場が拡大する中、県内企業の参入促進については、県はどのように取り組むのか、お尋ねいたします。 ○副議長(山口初實君) 産業労働部長。 ◎産業労働部長(松尾誠司君) 洋上風力関連産業は、本県の基幹産業である造船業で培った技術力や人材が活用できる分野として、これまで専門人材の育成や新規参入のための技術革新、技術開発に取り組んでまいりました。 このような中、昨年6月に発電事業者が決定しました五島市沖に続き、西海市江島沖についても、今後の促進区域の指定に向けた手続が進められており、県としては、国の指針の策定に当たって、県内企業を最大限活用するよう働きかけているところであります。 今後、秋田県沖や千葉県沖をはじめとして、国内各地で市場が拡大していくことから、県では、今回の補正予算で海洋エネルギー関連産業創出促進事業として、県内企業の取引拡大につながるようマッチングや設備投資等への支援に係る予算案をご提案させていただいております。 ○副議長(山口初實君) 中村泰輔議員-4番。 ◆4番(中村泰輔君) 今議会で予算案を上程していただいていると、確認しております。 今後、西海市沖がはじまるということで、この経済効果を最大限に高めていくことが我が県において重要であると思います。 そのためにも、おっしゃっていただきましたけれども、先に事業決定しました秋田県、千葉県の市場が獲得できるように、県としても改めてバックアップをお願いして、次の質問に移りますが、すみません、ちょっとここで洋上風力のことで、これはお願いでとどめておきますけれども、やはり地元の海域において、多くの洋上風力発電所を設置していくことが、県内の産業振興において極めて重要であると、西海市沖は、400メガワット級ということで、これは実はもう全国的に見ても、秋田の由利本荘が一番今のところ大きいんですけれども、それに次ぐレベルの規模で、本当にこれは頑張っていただいて、これだけの大きな規模の市場をつくっていただいたと思っております。本当に感謝しています。 しかしながら、今後は、離島で続けて洋上風力の事業を進めていこうということで県も取り組んでおりますけれども、やはり地元で洋上風力のウィンドファームみたいなものができてくればいいと思います。 しかしながら、海外の事業者の方とかと、国内も含めてですけれども、話をしますと、やっぱり日本のは規模が小さいんですね。由利本荘でも1ギガワットを切るぐらい。海外を見ると、もっと大きい規模で案件形成がされています。恐らく今後は、浮体式とかにつながってくるんだと思うんですけれど、国とも連携をして、浮体式の技術を高めていって、そして長崎県内において、多くの洋上ウィンドファームを形成できるように、非常に難しいとは思いますけれども、お願いをいたします。 また、いろいろ安全保障のことを言い出したら、すごく難しい話にはなるんですけれども、西海市沖は非常にそういう防衛の面においては重要な位置だということで認識をしておりますので、ここについては詳しくは述べませんけれども、国と連携していただきたいと思います。 ③カーボンニュートラルポート検討会の開催。 こちらのパネルですけれども、(パネル掲示)お手元の資料をご覧いただければと思います。国交省が作られた資料で、最近、国にて検討が進められています。こちらの意義としては、上に書いてありますけれども、1、水素、燃料、アンモニア等の大量安定、安価な輸入や貯蔵等を可能とする受入れ環境の整備、即ち産業化につながることでございます。 また、2、脱炭素化に配慮した港湾機能の高度化等を通じ、カーボンニュートラルポートの形成を推進する。この2つが大きな意義でございます。 イメージ図を見ていただきますと、長崎県と関連するものが実はございます。製鉄所や化学コンビナート、プラントとかはないんですけれども、今後拡大していく、先ほど申し上げました洋上風力発電、また、水素、アンモニアの運搬船、これが長崎では造れます、水素はまだやってないですけれども。また、アンモニア混焼発電技術等を長崎県は有しています。また、先ほど申し上げました、石炭火力発電所もあったりするんです。 こういった中で、私は、今後、水素、アンモニアの貯蔵設備の誘致などを通して、既存の産業が生まれ変わる可能性があると考えています。 水素、アンモニアは、未来の燃料と言われておりますけれども、将来を見通して、他県に後塵を拝してはならないと思います。 しかしながら、他県は既に20か所超において、カーボンニュートラルポート検討会が開催をされています。 長崎県でも、まずは検討会からはじめることができないか、お尋ねをいたします。 ○副議長(山口初實君) 土木部長。 ◎土木部長(奥田秀樹君) カーボンニュートラルポートは、脱炭素化に配慮した港湾機能の高度化や、港湾地域に立地する産業拠点から排出される温室効果ガスの排出量削減を目指す取組です。 全国的にコンテナや石炭などの取扱いが多く、発電所や製鉄所などが立地する港湾において、国が中心となって検討会が開催され、昨年12月にカーボンニュートラルポート形成に向けた施策の方向性が示されたところです。 本県としても、港湾における脱炭素化の取組は重要と考えており、県として取り組むべき内容を整理した後、検討会を設置するなど、港湾地域に立地する企業のご意見も賜りながら、検討を進めてまいります。 ○副議長(山口初實君) 中村泰輔議員-4番。 ◆4番(中村泰輔君) 前向きなご答弁をいただいたと思っております。 佐世保市は、勉強会をはじめるというようなことを少し聞きました。ぜひとも、民間を巻き込んでいただいて、議論するところから始めていただければと思います。 本質問のために、経済産業省、また国土交通省に問い合わせました。先ほど申し上げたイメージ図にある長崎県の技術、確認しましたけれども、カーボンニュートラルポート実現において有益な技術であると、そこはおっしゃっていただいておりますので、引き続き、国との連携をお願いして、次の質問に移ります。 (3)水産業の販路拡大戦略と資源管理を見据えた水産DX。 ①海外地域別輸出拡大の戦略。 国内の水産物需要が縮小する中、輸出の拡大は重要な課題と考えます。 県の水産物の輸出拡大に向け、海外の地域別にどのような取組を行っていくのか、お尋ねいたします。 ○副議長(山口初實君) 水産部長。 ◎水産部長(川口和宏君) 最大の輸出先国である中国については、産地間競争が激しい中で、販路拡大を図るため、現地パートナー企業と連携し、トップセールスを交えながら、見本市への出展等による販促活動を強化してまいります。 また、米国については、ブリやマアジなどの養殖魚のさらなる輸出拡大を図るため、養殖産地の生産力の強化や、新たな地域への販路開拓を進めていきます。 EUについては、生産から加工、出荷の全段階に厳しい衛生基準が求められており、この基準を満たすHACCP等の施設認定を持つ事業者による輸出の取組を支援してまいります。 このほか、新たに輸出にチャレンジする事業者については、輸出先国に合わせた試験輸送などの取組を後押しし、県産水産物の輸出拡大に努めてまいります。 ○副議長(山口初實君) 中村泰輔議員-4番。 ◆4番(中村泰輔君) この輸出戦略についてお尋ねしたのは、次の質問に関連するんですけれども、加工業、これの視点が少し抜けているんじゃないかというように感じましたので、お尋ねさせていただきました。それを踏まえて、次の質問に移ります。 ②輸出拡大に向けた県内水産加工事業への支援。 輸出拡大にはパートナーとの、先ほどおっしゃられた、今回の補正で付いています。パートナーとの連携も必要ですけれども、まずは水産加工業の強化が必要と考えます。どのような支援策があるのか、お尋ねいたします。 ○副議長(山口初實君) 水産部長。 ◎水産部長(川口和宏君) 輸出を拡大するためには、輸出先国における外食や小売りなどの具体的な需要形態を踏まえたうえで、加工して輸出することも重要だと考えております。 このため、県では、生産者と加工業者などが連携して取り組む市場調査、試験輸出、商品改良等に対して支援してまいります。 また、輸出先国ごとに様々な輸入条件があり、加工施設等の整備や輸出認証の取得が必要な場合は、引き続き、国の事業も活用した支援を検討してまいります。 ○副議長(山口初實君) 中村泰輔議員-4番。 ◆4番(中村泰輔君) 調査であるとか、とても事業者単体ではなかなかできないようなことをおっしゃっていただいたと思います。 事業者の皆さんと話をいたしますと、やはり加工の支援がほしいんだと、やっぱり加工場がないというようなことをおっしゃっていただく方が多くいらっしゃいますので、国内の販路拡大も含めて、加工の支援をよろしくお願いいたします。 ③資源管理を見据えた水産DX。 漁師の方と話をすると、以前より魚が捕れなくなったと伺うことがございます。資源管理が重要であると私は考えています。 今後、新たな資源管理を推進していくうえで、TAC魚種等の漁獲量をしっかりと管理することが国から求められており、管理のためにはデジタル化が必須であると考えます。 また、魚を捕るところからデジタル化を進めていくことが重要であるとも考えており、漁業操業情報等をデジタル化した効率的なシステム導入が必要です。魚を捕ることから、さらに、捕った量を報告するところまでの漁業の入り口から出口までの水産DXについて、お尋ねいたします。 ○副議長(山口初實君) 水産部長。 ◎水産部長(川口和宏君) 県としても、資源管理を推進するためのデジタル化は重要であると認識しており、生産現場に負担をかけずに、魚種別漁獲量のデータを、迅速かつ正確に収集するため、現在、各漁協や主要な市場において、国事業を活用し、既存の販売システムを漁獲報告に変換できるよう改修を進めております。 今後、TAC対象魚種の拡大等が進められる中で、漁場での操業位置や回数など、資源管理に重要な操業情報まで含めたデジタル化については、県としてどのようなことができるか研究してまいりたいと考えております。 ○副議長(山口初實君) 中村泰輔議員-4番。 ◆4番(中村泰輔君) よろしくお願いします。 県には、まさに、先ほど申し上げた漁業の入り口から出口まで、この水産DXを開発する企業がございます。水産庁と既に連携をして取り組んでいるようです。県との連携も進んでいると聞いておりますけれども、さらなる連携をお願いして、次の質問に移ります。 (4)長崎大学と連携した医療関連産業の企業誘致。 ①医療関連企業の誘致。 これまで、過去2回の一般質問において、コロナワクチンの開発に取り組んできた長崎大学の田中義正創薬イノベーションセンター長について、ご紹介をしてきました。一年前は、コロナワクチンの開発について、実は日本で先頭を走っていると国からも言われていた田中先生でしたけれども、最近、そのコロナワクチンの開発状況をお伺いしたところ、プラスチック消耗品などの研究開発資材の供給がストップしてしまい、ワクチン製造、研究も止まってしまったとの報告をいただきました。 大手のワクチン製造企業やPCR検査に資材が回されてしまい、大学の研究室レベルの多くの開発が世界的にもストップしたようです。 長崎大学では、今後、BSL-4の運用もはじまる予定であり、不足リスク回避のためにも、医療資材を含めた医療関連企業の誘致を積極的に取り組んでいくべきと考えますが、県の考えをお尋ねいたします。 ○副議長(山口初實君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) 議員ご指摘のとおり、コロナ禍などの有事に備えて、研究用資材等の供給体制を整えることは重要であるというふうに考えております。 一方、企業誘致については、付加価値が高く、先進的で、県内企業への波及効果が大きい企業等を対象として重点的に進めているところでございます。 これまで、長崎大学との連携によって、糖尿病検査機器のソフトウェア開発企業や、人工関節の開発・製造を行う企業が県内に進出したほか、昨年は、BSL-4施設にも納入実績がある医療用滅菌装置の国内トップ企業が本県への進出を決定したところでございます。 今後とも、長崎大学をはじめ、県内の関係機関と連携をして、医療関連分野における企業誘致にも力を注いでまいりたいというふうに考えています。 ○副議長(山口初實君) 中村泰輔議員-4番。 ◆4番(中村泰輔君) ここは、大石知事の真骨頂だと思います。だから質問しました。よろしくお願いします。 田中先生は、今後、細胞医療関連産業を、長崎大学病院を中心に大学発ベンチャーとして立ち上げていきたいとの考えをお持ちのようです。これまでの低分子医薬や抗体医薬から細胞医薬に製薬企業の投資の流れが大きく変化しています。細胞医療とは、大石知事はもうご存じかと思いますけれども、がん細胞やウイルス細胞と闘う免疫細胞を血液に混入させるという手法と伺っております。 大学病院のようなところでなければ開発や処置ができないとおっしゃられました。 このような、まさにイノベーションと言える産業が長崎から息吹こうとしています。 大石知事は、厚労省からAMEDに派遣されて、革新基盤創成事業部、私もちょっとホームページを拝見しましたけれども、そのAMEDのホームページを見ました。まさに、この田中先生の研究分野のような事業を推進されていたのが大石知事だと思いますので、ぜひともご支援いただきたく、よろしくお願いいたします。 3、デザイン性・デザイン思考を取り入れた広報戦略。 (1)部局横断的にデザイン思考を取り入れた「さがデザイン」について。 ①ながさき漁業伝習所におけるデザイン性を踏まえた広報発信。 一次産業の水産業を例にして質問いたします。 若者にとって漁業は、体力的にきつく、稼げないというイメージが実情です。 三陸には、若手漁師集団として立ち上がったフィッシャーマンジャパンという一般社団法人がございます。ここでは、「漁業を格好よく」というコンセプトをもとに、若手漁師を育てるためのプロジェクト、アパレルブランドと組んだ漁師のウエア展開、漁業の魅力を伝える取組など、幅広く行われています。 長崎県の若手漁業就労者数の増加のために、ながさき漁業伝習所がございますけれども、こちらのホームページやSNSを見て、もっとデザイン性を強化した方がよいと考えますが、具体的にどのような作り方をされているのか、お尋ねいたします。 ○副議長(山口初實君) 水産部長。 ◎水産部長(川口和宏君) ながさき漁業伝習所は、漁業就業に関する相談窓口として、平成28年度から本県漁業の紹介や就業希望者への情報発信、就業に向けた個別相談等を行っております。 ホームページについては、就業イベント情報のほか、UIターンや地元で就業した若い漁業者の暮らしぶりなど、新規就業者を呼び込むための情報を職員が収集して作成し、随時更新しながら発信をしております。 デザイン性を踏まえたものとしては、昨年度、就業希望者へ配布する漁業就業ガイドブックの作成の際に、長崎大学水産学部を舞台に、水産業を目指す若者たちを描いた漫画家のイラストを活用したところです。 ○副議長(山口初實君) 中村泰輔議員-4番。 ◆4番(中村泰輔君) ご答弁いただいたと思いますけれども、こちらですかね。(冊子掲示)このガイドブックですね、おっしゃっていただきました。 私も、これをはじめて手に取った時、非常にとても印象が深かったと、今でも覚えています。 しかしながら、単発的な取組ではなくて、長期的にイメージアップの空気を醸成していかなければならないとも感じたところです。 また、なかなか担当者の力量によってしまうようなところがあるのかなというふうにも感じました。 やはりデザインですね、私もたまにソフトでやったりするんですけれども、全然下手で、素人では厳しくて、専門家にお任せした方がいいものができるなと思っております。 ②「さがデザイン」のようなデザイン性・デザイン思考の本県での展開。 個人によるものではなく、部局横断的にデザイン性やデザイン思考のフィルターを常に通す仕組みが必要だと考えます。 佐賀県は、「さがデザイン」という取り組みを行っています。その中にアグリヒーローズというプロジェクトがあります。県内の5つの農家を公募で募集し、その方々にクリエイターが伴走して、4か年で事業計画をつくって軌道に乗せていくという内容です。なんと、本県のクリエイターの方も佐賀県のプロジェクトに参加されているようです。 「さがデザイン」は、佐賀県政策部の中に設けられた部門で、部局横断的に県庁における様々なプロジェクトに関わっています。 県内クリエイティブな方々のネットワークを構築し、クリエイティブのフィルターを通して、政策をブラッシュアップしていきます。 「さがデザイン」のように、長崎県も部局横断的にデザイン性やデザイン思考のフィルターを常に通す仕組みが必要だと考えますが、いかがでしょうか、お尋ねします。 ○副議長(山口初實君) 企画部長。 ◎企画部長(浦真樹君) 近年の複雑多様化する課題に的確に対応していくためには、課題の本質を見極め、これまでにない新たな発想を生み出すデザイン思考を取り入れていくことは意義があるものと考えております。 このため、昨年度から、本県の政策形成にデザイン思考を取り入れる仕組みづくりに着手をしておりまして、本年1月には、民間のデザイナー等で構成する「政策デザイン会議」を庁内に設けたところでございます。 この会議は、まだ緒についたばかりではありますけれども、これまで健康長寿に係る取組、あるいは「こんな長崎どがんです会」の運営などについて、新たな視点のアイデアをいただくなど、事業構築の一部にも活かしてきているところでございます。 今後、「政策デザイン会議」の有効活用を図りながら、より効果的な事業構築につながるようなデザイン思考を取り入れた仕組みの充実、こういったものに努めてまいりたいと考えております。 ○副議長(山口初實君) 中村泰輔議員-4番。 ◆4番(中村泰輔君) 「デザイン思考」という言葉が出てきました。ちょうど偶然といったらあれですけれども、まさに県も取り組んでいこうとしているタイミングであろうと今思ったところです。ぜひともよろしくお願いいたします。 そこで、大石知事にお尋ねします。 全国最年少知事として、やはりデザインを活用して、若者をはじめ、県民の皆さんがわくわく感を感じる取組をぜひとも進めていただきたいと思います。やっぱり変わったと県民の皆さんに思っていただくことが非常に大事と思いますので、お考えをお聞かせいただけないでしょうか。 ○副議長(山口初實君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) 今般、様々な分野の情報発信において、視覚的に高いデザイン性が求められているように感じています。 また、加えまして、ユーザー側のニーズに的確に対応するうえでも、デザイン思考を取り入れる重要性が高まっていると考えています。 私としましても、選ばれる長崎県づくりのためには、幅広い分野において、デザイン力をさらに発揮していく必要があるというふうに思っています。 まさに、議員ご指摘のとおり、今回の補正予算の編成過程においても、ちょうど全庁横断的な情報発信のあり方などを課題と感じたところであります。こうした課題への対応も含めて、今後、デザイン力を県政に活かす取組を進めていきたいというふうに考えます。 ○副議長(山口初實君) 中村泰輔議員-4番。 ◆4番(中村泰輔君) 非常に前向きなご答弁をいただいたと思いました。 大石知事は、実際にこの間、佐賀県庁に行かれて、「さがデザイン」を体験されたのかなと思っておりますけれども、実は長崎県にご縁のあるクリエイターの方で、全国で活躍されている方が多くおられるそうです。 特に、九州アートディレクターズクラブを創設された方が、こちらは長崎市のご出身ということで、こうした方々を中心に、本県にゆかりのある方々のネットワークを組織して、今後の県の政策にデザイン、またデザイン思考のフィルターを通していくことは非常に有意義であると思いますので、ぜひともよろしくお願いいたします。 4、県内発注(委託料)の部局横断比較について。 (1)前回調査(H29)からの推移に関する考察と県内発注率を高める取り組み。 表をつくって、(資料掲示)なかなか見にくくて非常に申し訳ないんですけれども、理事者、また議員の皆さん、お手元にございます。 こちらに平成29年度、また1年またいで令和元年度、令和2年度の1,000万円以上の県からの発注となる委託料の部局長別県外発注の推移を示しました。 3年前、平成29年度の部局長横断比較をグラフに描いてパネルで示して、県には横ぐしを指してほしいんだと、しっかりと管理をしてほしいと申し入れました。 結果として、この上段の2つのグラフを見ていただければ、赤で囲んでいますけれども、件数、金額ともに減少しています。また、一番大きな事業をやっている土木部も、件数、金額ともに平成29年度から減少しています。 そこで、土木部にお伺いします。 この推移についての考察と県内発注を高めていく取組について、お尋ねいたします。 ○副議長(山口初實君) 土木部長。 ◎土木部長(奥田秀樹君) 公共工事の品質確保には、県内企業では対応が難しい橋梁やトンネルの設計など、技術的難易度が高い業務については、県外企業に頼らざるを得ないのが実情です。 平成29年度と令和2年度の県内企業全体の受注金額の割合を比較すると、約2%減少していますが、その年の難易度の高い業務の多寡により、割合は増減するものと考えています。 企業の技術力は一朝一夕で向上するものではありませんが、県としても、県外企業から県内企業への技術力の移転を狙ったJV方式の採用や、業界との意見交換を通じ、技術力向上を促した結果、専門性の高い資格を持つ技術者が増加してきたことから、高度と分類される業務の一部を、平成28年度から県内企業へ一部発注しています。 引き続き、業界へ県内発注率を高めることに欠かせない技術力の向上を促してまいります。 ○副議長(山口初實君) 中村泰輔議員-4番。 ◆4番(中村泰輔君) 分析は、非常に難しいところがありましたけれども、私としては、県内発注を高めていけば、逆に県内企業が他県の事業も受注できると考えます。 土木部に限らず、各部局長におかれましては、常に推移をモニタリングしながら、県内発注を高める具体的な取組をお願いします。 最後となりますが、週末、6月11日に日本維新の会の松井一郎代表が参議院選挙を見据えた応援のため、長崎市で街頭演説を行われ、長崎への原爆投下に触れつつ、「抑止力を持たないといけない。タブーなき議論が必要だ」と発言されました。さらに、「我々は、核共有を含めた議論をやるべきだと思う。長崎の人たちは原爆の被害者、そういうところで、これを濁すようなことはやり方がせこいと思っている」と、その報道陣に対して述べられたようです。 被爆地長崎市において、今も核廃絶に向けて人生をかけて闘っている方々がいらっしゃる中で、このような発言をされたことは、とても容認できません。 こちらの大石知事は、6月10日の長崎県議会での答弁において、「核共有は容認できない」と表明されました。大石知事は、日本維新の会党本部から推薦を得て当選されましたが、核共有について、日本維新の会の考えとは矛盾をします。 ぜひとも、世界に恒久平和を訴える平和都市長崎県を代表し、日本維新の会に正式にご抗議をお願いできないでしょうか。 先週土曜日の出来事で、事前通告ができておりません。平和を願う長崎県民の思いをしっかりと受け止めて、長崎県知事のご意志としてお示しいただきたいと思いますが、大石知事、いかがでしょうか。 ○副議長(山口初實君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) ご指摘のとおり、私は、平和を尊ぶ長崎県の知事として、核のなき世界を目指すということは、強く、私、覚悟を持って挑んでいるつもりでございます。その件につきまして、しっかりとそういった意見を表明して、維新の会にもそういった考えを、しっかりと協議をしたうえで、核なき世界を実現できるよう、私としても努力をしていきたいというふうに思っています。 ○副議長(山口初實君) 中村泰輔議員-4番。 ◆4番(中村泰輔君) しっかりとご答弁いただきました。 ぜひとも、長崎県の先頭で、世界平和を実現するためにご尽力をいただければと思います。 ありがとうございました。(拍手) ○副議長(山口初實君) これより、しばらく休憩いたします。 会議は、11時15分から再開いたします。     -午前11時2分 休憩------------------------------------     -午前11時15分 再開- ○議長(坂本智徳君) 会議を再開いたします。 引き続き、一般質問を行います。 北村議員-12番。 ◆12番(北村貴寿君) (拍手)〔登壇〕皆様、こんにちは。 自由民主党、大村市選出の北村貴寿です。 ご多用の中、傍聴席にお越しの皆様、そして、オンラインでご視聴中の皆様、本当にありがとうございます。 県政に送っていただきまして、早や4年目、通算7度目、今期最後の一般質問になろうかと存じます。 本日登壇する4名は、くしくも全て一期生であります。一期生らしく爽やかでフレッシュな質問になるかどうかは、皆様にご判断を委ねるところでありますが、県民の皆様の期待と信頼に応え、長崎県政にさらなるイノベーションを起こす一時間にしたいと存じます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。 1、長崎県庁のガバナンスについて。 (1)公共経営者としての理想像と経営理念。 大石知事におかれては、6月に入り就任3か月が経過されました。全国最年少の知事として、いかんなく行動力を発揮され、大変多忙な時期をお過ごしのことと存じます。 長崎県を株式会社になぞらえれば、株主は県民の皆様であり、知事は、経営を担う代表取締役社長、県職員は社員であり、県民の幸福を最大化するために働く組織です。 3か月経過したところで、改めて、知事は、公共経営者として、どのような経営理念を持ち、理想像を目指すのか、知事の答弁を求めます。 (2)管理職としての理想像。 知事が県民の皆様に示された公約の実現のためには、職員が知事の考えを理解し、知事と同じ方向を目指すことが重要です。4,000名を超える職員が所属するそれぞれの組織においては、管理職が果たす役割が大きく、マネジメント能力の高い管理職が理想かと存じますが、管理職のマネジメントについて、どのようにお考えか、答弁を求めます。 (3)職員能力の向上。 職員が様々なスキルを身につけ能力を高めていくことが、最終的には、県民の幸福の創造につながると考えます。目指すべき職員像に向けてどのような人材育成を行うのか、答弁を求めます。 2、Web3.0時代への対応について。 (1)NFT(非代替性トークン)の活用。 Web3時代の到来は、「インターネットのフランス革命」とも表現され、巨大プラットフォーマーの力が弱まり、ゲームチェンジが起きると言われています。 中でもNFTについては、国でも新しい資本主義の成長戦略の柱として推進する姿勢が重要だとしており、日本が失われた30年から脱却するための新たなイノベーションとして期待をされているところです。 北海道余市町では、ふるさと納税の返礼品として、NFTを使ったデジタルアートを採用、錦鯉発祥の地である新潟県長岡市では、錦鯉をシンボルにしたNFTアートを発行し、電子住民票として活用されています。 今後、本県においてもNFTを活用した取組が必要かと存じますが、県の考え方について答弁を求めます。 (2)デジタル田園都市国家構想の推進。 政府が進めるデジタル田園都市国家構想においては、デジタル実装によって地方の課題を解決し、誰一人取り残されない社会を実現するという基本方針がこのたび示されました。その中には、構想を支えるハード及びソフトのデジタル基盤整備に力を入れるとしています。 県は構想の実現に向けどのように関連施策を推進するのか、さらには、「夏のDigi田甲子園」が開催されると聞いておりますが、本県の応募状況について答弁を求めます。 3、中小企業の振興について。 (1)原油、原材料の高騰対策。 ロシアのウクライナ侵攻は断じて許すことができません。この戦争の一刻も早い終結を心から願うところです。 この侵略戦争に伴い、原油、原材料が高騰し、全国の中小企業が甚大な影響を受けています。県内の事業者からは、原材料高騰を受けて価格転嫁が追いつかない、経営状況が悪化している、このままではつぶれてしまうといった悲痛な声をいただいており、県内中小企業の資金繰りにおける緊急的な対応が必要かと存じます。 このような状況も踏まえ、県はどのような対策を講じるのか、また、緊急性が求められることも鑑み、実施時期を明確に示すべきかと存じますが、県の答弁を求めます。 (2)海外への販路開拓支援。 先般、人口減少により縮小する日本市場を踏まえ、海外へ製品の販路拡大を検討している中小企業事業者の声を聞かせていただきました。県内の中小企業が市場規模を海外まで広げ、業績の拡大に努めることは、県内の雇用の受け皿の増加にも重要かと存じます。 長期にわたるコロナ禍で、海外との往来も制限されてきましたが、徐々に交流再開の動きも見られます。県は、海外への販路拡大を図る企業の相談窓口を設置していますが、どのような支援を行っているのか、また、今後の支援をどう進めていくのか、答弁を求めます。 4、医療福祉について。 (1)骨髄ドナー支援制度。 令和3年度に県が創設した支援制度は、市町に支援制度がないと活用できないため、市町との連携が重要かと存じます。また、昨年の2月定例会において、新規登録者数の減少についてただしたところ、ボランティア説明員の高齢化により、登録会に参加できる人員が不足傾向にある、新たな説明員の確保に努めるとの答弁がありました。 ついては、県内市町のドナー支援制度の導入状況及び新たな説明員の確保状況を含めた新規登録者の確保対策について、答弁を求めます。 (2)骨髄移植等での免疫喪失におけるワクチン再接種費用の助成。 骨髄移植等により免疫が喪失した場合、これまで接種してきた様々なワクチンを再接種する必要があり、その費用が全額自己負担となることから、患者の大きな負担となっております。 これまでも一般質問において、県独自の助成を創設すべきと求めており、当事者の現状が報道された諫早市が事業化に着手するなど、県内でも市町それぞれの動きがありましたが、今般、県が補正予算において事業予算を計上していただいたことを大変評価しております。再接種費用の助成をいつから、どのような仕組みで実施するのか、答弁を求めます。 また、骨髄ドナー支援とワクチン再接種費用の助成については、本来ならば、国が全国統一の制度として行うべきですが、国に要望を繰り返しても制度化が進まない以上、県が国に先んじて制度化したことに感謝申し上げます。 今後も、病魔に苦しめられている患者に寄り添う県政の推進を期待するところです。 (3)手話言語条例の制定。 手話は、聾者にとって唯一のコミュニケーション手段であり、聾者の人権を尊重し、手話が音声言語と対等な言語として広く県民に理解してもらうためには、県が条例を制定することにより、その理念を明確に示すことが必要かと存じます。 全国的にも条例制定が進んでおり、現時点では全国33道府県が制定しております。本県でも早期に制定すべきかと存じますが、手話言語条例制定についての検討状況について、答弁を求めます。 (4)障がい者の工賃向上。 障害のある方が自立した生活を送るためには、福祉的就労の場で支払われる工賃の水準を引き上げていくことが重要です。障害者施設では、様々な商品や農産物を生産・販売していますが、その売上げの多くを依存していたイベントや販売会がコロナ禍により激減し、ネット販売へその販路を求めているところです。 そのような中、農福連携の取組が注目されております。大村市の就労継続支援B型事業所SAKURA+(さくらぷらす)では、大村産の農産物をアクセサリーとして開発、情報発信には市内の高校生が参画しており、長崎県令和3年度福祉のまちづくり賞を受賞されました。本日は、議長にも大村産のカーネーションを加工したピンバッヂをつけていただいております。 このような取組を広く周知すべきかと存じますが、県は農福連携をどのように推進していくのか、答弁を求めます。 (5)特農連携(特別支援学校と農業が連携した就労支援)。 特別支援学校には、農業分野と連携したキャリア教育や農場での実習の取組など、いわゆる特農連携により就労につなげようとする取組があるかと存じます。特別支援学校と農業が連携した就労支援を推進することは、農業の担い手不足を補う一助にもなると期待するところです。 そこで、特別支援学校と農業が連携した就労支援の取組について、答弁を求めます。 (6)障がい者アートの普及。 令和7年度に「全国障害者芸術・文化祭」が長崎県で開催されると存じます。これを契機に、障害者アートの普及に取り組む必要があると存じますが、県はどのように取り組んでいくのか、答弁を求めます。 (7)医療的ケア児支援センター。 令和3年9月に医療的ケア児及びその家族等の支援に関する法律が施行されました。県が昨年実施した実態調査では、18歳未満の在宅の医療的ケア児は187名という調査結果が公表されています。 今般、大村市に医療的ケア児センターの設置のための予算が計上されておりますが、設置の目的や役割、体制等について答弁を求めます。 また、県が諫早市に設置している発達障害者支援センターは、「しおさい(潮彩)」という愛称で親しまれております。大村市に設置される医療的ケア児支援センターにおいても愛称をつけていただきたいと存じますが、県の考え方について答弁を求めます。 (8)介護職員不足の解消(外国人材の活用)。 介護人材の確保は、非常に厳しい状況が続いており、県の介護保険事業支援計画における2025年の介護人材不足数は約2,000人とされ、人材確保は喫緊の課題です。 これまでも様々な取組があることは承知しておりますが、国内で確保できない人材は、外国人材の受入れを進めるべきです。今般、コロナ禍により滞っていた外国人材の受入れが再開されましたが、本県独自の友好関係を活用したベトナムからの人材受入れなど、県は外国人材の受入れをどう推進していくのか、答弁を求めます。 (9)介護施設のコロナクラスター対策。 感染力の強まった新型コロナウイルスは、多数のクラスターを発生させました。6月5日時点で、県内では533件のクラスターが確認され、介護施設においても多数発生しております。施設によっては、内部の感染が拡大し、職員にも感染者が続発、県が派遣するとした応援職員やCovMATの支援も受けられず、限られた人員でケアの質を落としながら、連続して夜勤をこなすなど、大変過酷な状況に置かれた施設も存在します。改めて、エッセンシャルワーカーの皆様に心から敬意を表するところであります。 クラスターを経験した施設には、どのようにしてその危機を乗り切ったか、感染症対策について貴重な知見が蓄積されていることと存じます。今後の新たな感染の波に備え、こうした施設の知見を幅広く共有する機会を設けるべきかと存じますが、県の取組について答弁を求めます。 5、教育について。 (1)不登校対策。 年々増加する不登校児童生徒への支援には、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーをはじめ、外部専門家の役割が大変重要かと存じます。また、関係機関との連携も必要かと存じますが、本県の不登校対策の現状と今後の取組について、答弁を求めます。 (2)離島留学。 高校生の離島留学制度については、県内のみならず県外からも多くの生徒が海を飛び越え、特色のある学びの中で成長していると聞いており、一定の成果を上げていることと存じます。 本県の実施する離島留学制度は、語学や歴史、スポーツ等の専門的な学びを求め、目的意識を持った生徒が入学してきます。他方、学校になじめず、登校することが難しかった生徒が、中学校までとは環境を変えて学びたいという生徒も入学してくると聞いております。 親元を離れ、新たな環境に挑戦しようとする離島留学生に対して、学校側のサポート体制はどのようになっているのか、答弁を求めます。 6、県民の安心安全について。 (1)子どもの事故防止。 国内では、窒息や溺水等の不慮の事故により、14歳以下の子どもが毎年200名ほど亡くなっています。大人が子どもを守り、不慮の事故が限りなくゼロとなる社会を構築することが、我々大人の責務であります。 国は、毎年7月に「子どもの事故防止週間」を実施し、子どもを事故から守る取組を推進していますが、対象者へ確実にメッセージを届けることが重要です。 県は、子どもの事故防止週間の啓発等についてどのように取り組むのか、答弁を求めます。 また、教育・保育の現場に「子ども安全管理士」を普及させることが事故防止につながります。大村市の認定NPO法人Love&Safetyおおむらは、2017年度より、大村市と合同で教育・保育施設における子どもの安全管理士講座を開催されており、昨年度は50名が子ども安全管理士として認定され、これまでに160名が資格を取得されました。 コロナ禍によりオンライン講座が開始されたところ、一気に受講者が増え、本年度も、既に全国各地で86名が受講中です。 県は、保育の現場において子どもの安全管理にどう取り組むのか、答弁を求めます。 (2)ライフジャケット着用の推進。 毎年、全国的に水難事故で多くの児童生徒が命を落としています。水難事故防止のためにはライフジャケットの着用が有効であり、学校においても活用を周知すべきと存じます。 香川県教育委員会では、子ども用ライフジャケットを無料で貸し出す「ライフジャケット・レンタルステーション」を開設しており、本県でも同様の取組を進めるべきかと存じますが、県教育委員会としてライフジャケットの着用の啓発にどのように取り組んでいくのか、答弁を求めます。 (3)防災DXの推進。 デジタル化により社会をよりよく変革していくデジタルトランスフォーメーションが様々な分野で進んでいます。県政においては様々な課題がありますが、県民の生命を守るという課題は最重要事項であり、防災分野においてもDXを推進すべきと存じます。 デジタルの力を使い、正確な情報の収集と発信を効率的かつ迅速に行うためには、防災情報システムの高度化が必要であると一般質問で訴えてきましたが、関係予算2億4,000万円を令和4年度当初予算において計上されたことは、高く評価しております。 システムの高度化によりどのようなことが可能になるのか、また、来年の出水期前には本格運用を開始していただきたいと存じますが、県の答弁を求めます。 次に、NAKSS(長崎河川砂防情報システム)の活用について、お尋ねします。 大雨洪水等の河川の見回りや急な増水等による水難事故は、毎年のように全国各地で発生しており、今般、県はNAKSSのスマートフォン版を構築されました。出水の際、スマートフォンで河川状況を確認できれば、事故の減少につながり、消防団等の警戒活動にも有用かと存じます。 出水期を迎えるに当たり、NAKSSのスマートフォン版を多くの県民の皆様に活用していただきたいと存じますが、普及促進に向けた県の取組について、答弁を求めます。 (4)災害時における県の備蓄体制。 近年、豪雨災害等が深刻化しており、避難所で長期間の避難を余儀なくされる事態が発生しております。近年、避難所のあり方については、ただ安全に避難できるだけでなく、プライバシーの確保や少しでも快適に過ごせるような配慮が重要になってきており、きめ細やかな支援の実施が求められています。 先般、松浦市におきまして開催された「県総合防災訓練」へ参加した際、避難所を想定したスペースで関連資材が展示されており、私も段ボールベッドの寝心地を体験させていただきました。一昔前の避難所といえば、床に毛布などを敷いて横たわり、間仕切りもない光景が見られましたが、段ボールベッドは寝心地もよく、附属するパーテーションによって、一定のプライバシー確保も可能であることから、避難所の生活環境を向上させるうえで非常にニーズが高いものと考えますが、段ボールベッドなどを含めた県の備蓄体制について、答弁を求めます。 (5)消防人材の育成。 大村市に設置されております長崎県消防学校は、来年で築40年を迎え、校舎や寮などの老朽化が進んでいます。 先日、施設の現状や、訓練で使用している資機材を視察させていただきましたが、法定耐用年数を超えて使用されているものも多い状況でした。 県民の生命・財産を守るという重要な使命を担う近代消防人を養成するためには、その育成環境の質の向上が必要かと存じますが、資機材はどのような方針で更新しているのか、また、今後の更新の予定はどうか、加えて、本県の女性消防職員の状況と消防庁の目標に対する取組について、答弁を求めます。 7、動物愛護について。 (1)アニマルポート長崎の老朽化。 大村市のアニマルポート長崎については老朽化が進んでおり、気軽に立ち寄れるような状況ではないため、施設の更新が必要かと存じます。令和元年の9月定例会での一般質問において、施設の更新について質問し、ここ数年は所管委員会でも議論をしてきました。また、大村市からも同様の要望があっていますが、県は建て替えについてどのように考えているのか、答弁を求めます。 (2)犬猫のマイクロチップ装着。 本年6月1日から、ブリーダーやペットショップが取得した犬または猫に対して、マイクロチップの装着が義務づけられました。 マイクロチップ装着には否定的な見解も聞きますが、愛犬・愛猫の体内に入るマイクロチップの装着にはどのような効果が期待できるのか、また、義務化に際して周知はどうなっているのか、マイクロチップの安全性等について、答弁を求めます。 8、大村湾を活かした環境整備。 (1)大村湾の水質改善。 先般、長崎新聞の読者投書欄に、「取り戻そうきれいな大村湾」とのタイトルで、大村市の中学生の声が掲載されていました。大村湾の現状を憂い、自ら調査活動を行ったとの内容で、「人間が汚した海は、人間が変えなければならないと自覚し、みんなで協力して、きれいな大村湾を取り戻しましょう」と結ばれていました。 大村湾の水質改善対策としては、流域の下水処理施設の高度処理化を進める必要があるかと存じます。また、県民の大村湾に対する環境意識の向上が重要ですが、環境学習の場としての「ガラスの砂浜」の活用状況と今後の展開にいて、答弁を求めます。 (2)サイクルツーリズムの推進。 サイクルツーリズムは、自転車を活用した観光に資する取組として、全国的に広がっており、大村市においてもサイクルツーリズムに取り組まれていることと存じます。大村湾のすばらしい眺望をサイクリストに見ていただく取組を進めることは、サイクリングルートの魅力、ひいては、大村湾の魅力づくりや環境意識の向上にもつながることと存じます。 そこで、大村市に大村湾を眺望する展望スポットを整備すべきだと存じますが、県の取組について答弁を求めます。 以上で、壇上からの質問を終了し、再質問は対面演壇席から行います。 今期最後の一般質問ということで、項目が多岐にわたりましたが、知事及び執行部におかれては、県民の声に対し簡潔・明瞭、建設的で積極的な答弁を求めます。 ご清聴ありがとうございました。 ○議長(坂本智徳君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) 〔登壇〕北村議員のご質問にお答えいたします。 まず、知事就任後3か月間が経過したが、公共経営者として、どのような理想像と経営理念を持っているのかとのお尋ねですが、今年3月2日に知事に就任して3か月が経過いたしました。この間に、本県が抱える様々な課題の大きさを改めて実感したところであります。それとともに、それらの諸課題を解決し、県民皆様のために成果を出していかなければならないと、そういう使命と責任を改めて認識したところであります。 今後、県政の課題に向きあううえでは、多くの県民の皆様と対話をする姿勢、そして、関係する皆様方と連携を密にし、お力添えいただきながら、ともに取り組む姿勢というものを大事にしていきたいと考えております。 また、知事として、皆様からお預かりした財源をもとに、しっかりと県民の皆様の生活のために最大限の効果を上げるように使わせていただくということを念頭に取り組むことが重要と考えております。 そして、一つでも多くの課題の解決に取り組み、県民の全世代の方々が安心、継続して豊かで温かい暮らしを営むことができる社会の構築を目指してまいります。 そのために、まずは私自身が県庁の先頭に立ってリーダーシップを発揮し、県庁内でも各部局が連携して成果を出せるように取り組んでまいりたいと考えています。 次に、災害時における県の備蓄体制として、段ボールベッド等を含めた県の備蓄に対する考え方についてのお尋ねですが、物資の備蓄については、「災害時の物資備蓄等に関する基本方針」により、県民、市町、県の果たすべき役割や目標数等を定めており、県は市町の備蓄を補完する役割を担っております。 この方針に基づき、県においては、食料や飲料水など、発災直後の生命維持や生活に最低限必要となる物資を県内8か所に分散をして備蓄しており、拠点となる長崎地区においては、現在、新たな専用倉庫の整備を計画しているところでございます。 また、そのほかの使用期限が短い物資等については、14の事業者や団体と協定を結び、必要時に供給を受ける体制を構築しております。 このうちベッドや仕切りなどの段ボール製品については、避難所を開設する市町が備蓄を進めておりますが、県におきましても、関係団体と協定を締結しており、県の要請により、72時間以内に最大300セットが供給されることとなっております。 近年、全国各地で長期避難を要する大規模な災害が発生しており、県としましては、引き続き市町とともに備蓄体制の強化にしっかりと取り組んでまいります。 残余のご質問につきましては、関係部局長から答弁をさせていただきます。
    ○議長(坂本智徳君) 総務部長。 ◎総務部長(大田圭君) 私から、長崎県庁のガバナンスについて、2点答弁申し上げます。 1点目、管理職のマネジメントについて、どう考えるのかというお尋ねでございます。 限られた人材や財源の中で、知事の掲げる目標達成のためには、管理職が組織目標を職員と共有しまして、その能力を最大限発揮させていくことが重要だというふうに考えております。 そのためには、目標や役割を上司と共有のうえ、職員が自ら挑戦し、達成感を得るような仕事の進め方を浸透させるとともに、多様な人材が活躍できるよう、仕事と生活の調和に配慮しながら、生産性を高める、働きやすい、活力ある職場づくりが必要と考えております。 管理職には、このようなマネジメントが必要でありまして、今年度から、人事評価項目の充実を図るなど、さらなる向上につなげてまいります。 次に、職員について、どのように人材育成をしようと考えているのかというお尋ねでございます。 職員の能力向上に向けましては、職員が自ら課題に挑戦し、働くことの喜びや達成感、成長を感じることができるよう、ほめる文化や失敗を活かす文化を醸成することとしております。 また、現場主義に基づきまして、関係者とビジョンを共有し、成果を上げていくため、市町や民間企業等とのワークショップを取り入れた実践的な研修を実施するなど、職員研修の充実強化を図るとともに、外部との人事交流も積極的に行っているところでございます。 今後とも、職員の意識改革や能力向上に努め、全ての職員が意欲を持って職務に取り組めるような環境整備に力を注いでまいります。 ○議長(坂本智徳君) 企画部長。 ◎企画部長(浦真樹君) 私から、Web3.0時代への対応について、2点お答えをいたします。 まず、県におけるNFTの活用についてのお尋ねでありますが、一般的に広く利用され、適正な価値を証明できなかったデジタルデータに、唯一無二のデータとして価値を与えるNFTは、地域におけるデジタルコンテンツの資産化や、独自のコミュニティ形成など、地方活性化や社会課題解決の新たなツールとしても、国などにおいて注目をされております。 また、先般、閣議決定されました骨太方針におきましても、個と個がつながる分散型のデジタル社会の中で、NFTなどを利用するWeb3.0の推進に向けた環境整備の検討をする旨明記されており、県といたしましても、今後、NFT活用の可能性について研究してまいりたいと考えております。 次に、デジタル田園都市国家構想の実現に向けた取り組みと「夏のDigi田甲子園」への応募状況についてのお尋ねであります。 先般、国におきまして「デジタル基盤の整備」や「デジタル人材の育成・確保」などを柱とした「デジタル田園都市国家構想基本方針」が示されたところであり、今後、県といたしましては、こうした方針を踏まえ、国の交付金制度を有効に活用しながら、民間人材の登用や産学金官の連携を図ることなどにより、多様なデジタル関連施策を積極的に展開してまいりたいと考えております。 なお、「夏のDigi田甲子園」につきましては、地域モビリティやデジタル人材の創出に関するものなどについて、県内4市町の取組を、先般、国へ推薦したところであります。 ○議長(坂本智徳君) 産業労働部長。 ◎産業労働部長(松尾誠司君) 私の方から、中小企業の振興について、2点お答えをさせていただきます。 原油、原材料の高騰を踏まえ、県としてどのような対策を考えているのか、また、実施時期を明確に示すべきとのお尋ねですが、県では、県内企業の経営環境を把握するため、金融機関等と意見交換を行う中で、資金需要自体は充足している一方、感染症の長期化に加え、原油や原材料価格の高騰により予断を許さない状況にあるものと認識しております。 そのため、原油や原材料価格の高騰に伴い、売上げの減少などの影響を受けた県内中小企業の資金繰りを支援するため、県の制度融資「緊急資金繰り支援資金」の中に、新たな区分を追加することとし、明日6月15日から運用を開始する予定としております。 今後とも、県内中小企業の実態把握に努め、国の施策を注視しながら、適切な対策を講じてまいります。 次に、県では、東南アジアへ販路拡大を図る企業へ相談窓口を設置しているが、どのような支援を行っているのか、また、今後の支援をどう考えているのかとのお尋ねですが、県内企業が東南アジア諸国などの経済的発展が見込まれる国々の需要を獲得し、規模拡大を図ることは、本県経済の活性化につながる重要な取組であると認識しております。 そのため、県では、「東南アジアビジネスサポートデスク」を設置のうえ、県内事業者に対し新たな販路開拓や拡大に向けて、現地の商談先の紹介や視察・展示会への同行などの支援を行ってきたところであります。 引き続き、国際的な往来再開の動きを見極めながら、国や関係機関とも連携し、県内事業者の海外での事業展開や規模拡大の支援に努めてまいりたいと考えております。 ○議長(坂本智徳君) 福祉保健部長。 ◎福祉保健部長(寺原朋裕君) 私からは、8点お答えさせていただきます。 まず、市町における骨髄ドナー支援制度の導入状況及びドナー登録者確保対策をどのように推進していくのかとのお尋ねですが、骨髄ドナー支援制度については、県内の20市町において既に導入されており、未導入の小値賀町については、制度化に向けた前向きな検討が進められております。 また、ドナー登録者については、登録会の活動等がコロナの影響から徐々に回復しており、令和3年の末で、人口当たり全国平均を上回る7,149名の方に登録いただいております。 登録会は、ボランティア説明員による丁寧な説明が必要であり、昨年度の研修受講者5名を新たに加え、計7名が説明員として活動いただいております。 県としては、引き続きドナー登録者の確保と環境整備に努めてまいります。 次に、骨髄移植等での免疫喪失におけるワクチン再接種費用に関して、県レベルで助成について検討していると聞いているが、いつから、どのような仕組みで実施するのかとのお尋ねですが、骨髄移植後のワクチン再接種費用につきましては、現状、国による支援制度はなく、被接種者の経済的負担が大きくなっております。 このため、県内の4市町では、既に再接種費用への助成が行われており、県としましては、公的支援のもと、居住地にかかわらず、県内全域において再接種の助成が受けられるよう、本議会に助成事業の予算を計上したところです。 この事業では、市町が助成した再接種費用の2分の1を県が負担することとしており、県内全市町から制度創設の意向が示されているところであり、今後、市町と連携して、一日も早い制度創設に向けた準備を進めてまいります。 次に、本県での手話言語条例制定の検討状況についてのお尋ねですが、県としては、手話言語条例は、手話を通じてろう者と健常者との相互理解を深め、共生社会の実現に取り組んでいくための有力な方策の一つと認識しております。 一方、条例制定に当たっては、手話以外の意思疎通手段やほかの障害者とのバランス、市町や民間事業者等の協力などの課題があります。 条例を制定した自治体では、手話への関心の高まりや手話通訳者の増加といった効果も見られることから、引き続き障害者団体等の意見もお伺いしながら、検討を進めてまいります。 次に、障害者の工賃を上げていくために農福連携をどのように推進していくのかとのお尋ねですが、本県の平均工賃額は年々向上しており、令和2年度は全国11位と、全国平均を上回っております。 工賃向上に向けた取り組みとしても、農福連携を推進しており、就労継続支援事業所に対し、農業技術に関わる指導助言、6次産業化の支援を行うため、専門家派遣事業を実施しております。 また、農福連携を広く周知するため、地域の団体等と連携し、農業に取り組む事業所等による商品販売会「農福マルシェ」を県内各地で開催しております。 今後は、福祉事業所と農業者のマッチングの仕組みづくりの検討を行うなど、さらなる工賃向上を目指してまいります。 次に、令和7年度に「全国障害者芸術・文化祭」が本県で開催されることを契機に、障害者アートの普及に取り組む必要があると考えるが、県としてどのように取り組むのかとのお尋ねですが、県では、障害者の個性と能力の発揮及び社会参加促進のため、芸術文化活動を推進しており、令和7年度の本県での開催は、共生社会の実現に向けて大きな契機になると考えております。 県内の障害福祉施設においては、芸術文化活動に関心は高いものの、取り組んでいる施設が少なく、指導者不足や発表の場が少ないことなどが課題として挙げられます。 今年度は、これまでのセミナー開催や専門家派遣等に加えて、展示会等の開催経費の助成や活動実績のある事業所のノウハウ共有に取り組み、より多くの方が障害者の芸術文化活動に触れ合う機会を創出するとともに、活動の掘り起こしや裾野の拡大につなげてまいります。 次に、医療的ケア児支援センターの設置の目的と役割、体制及びその愛称についてのお尋ねですが、センターは、医療的ケア児の日常生活、社会生活をしっかり全体で支え、個々の状況に応じ切れ目なく支援を行うために設置するものです。 主な役割としては、家族等からの相談に総合的対応し、地域の関係機関と連携した支援、専門性の高い助言や人材育成を担っていきます。 そのため、運営には医師、相談支援専門員といった専門的な人材の配置が必要であり、医療的ケア児への支援実績がある社会福祉法人への運営委託を念頭に検討を進めているところであります。 愛称につきましては、医療的ケア児やそのご家族等に知っていただき、親しみを持ってご利用いただけるよう、関係機関等のご意見を伺いながら検討してまいりたいと考えております。 次に、介護職員不足の解消に向けて、ベトナムの大学からの介護人材受入れに関する進捗状況と外国人材の受入れ再開を受け、今後どのように取り組むのかとのお尋ねですが、本県の外国人介護人材は、技能実習生など、昨年の1年で約150名おられますが、入国再開を受け、県内事業所でも新たな人材受入れを開始し、今後動きが活発になると考えております。 ベトナム国の大学からの介護人材は、昨年度、オンラインでの合同面接会を開催し、ドンア大学の学生4名と県内事業所3か所のマッチングに至りました。 現地で看護や日本語を学ばれていることから、即戦力となる貴重な人材であり、今年8月から技能実習を開始される予定です。 県としましては、今年度現地を訪問し、大学との連携強化を図るほか、外国人材活用促進セミナーの開催、就業中の技能実習生を対象とした研修、介護福祉士養成施設の留学生への奨学金に対する助成などを実施してまいります。 外国人の皆様が長崎を気に入ってくださり、働きながら安心して生活できるように受入れを支援してまいります。 次に、介護施設のクラスター防止のため、施設向けの研修が必要と考えるが、県としてどのように取り組んでいくのかとのお尋ねですが、介護施設におけるクラスター対策として、感染予防や発生時の対応に関する研修は大変重要と考えており、これまでもガウンの脱衣方法、ゾーニング例など具体的な事例も紹介しながら、オンライン形式で開催してまいりました。 今年度は、新たに長崎大学等の専門家の協力のもと、クラスターを経験した施設職員の知見も踏まえ、実践形式の研修を実施するなど、感染症に対応できる施設職員の育成を強化してまいります。 さらに、地域の医療機関でも感染症に対応できる人材育成を強化することとしており、今後は、地域ごとに医療機関と介護施設が連携して取り組む仕組みを検討してまいります。 ○議長(坂本智徳君) 教育委員会教育長。 ◎教育委員会教育長(中崎謙司君) 私の方から、教育行政4点答弁させていただきます。 まず、特別支援学校と農業が連携した就労支援の取組状況についてのお尋ねでございます。 特別支援学校のキャリア教育の一環としまして、農業分野への取組に力を入れておりまして、10年間で60名を超える卒業生が農業関係の仕事に就いております。 また、農作業の実習に加えまして、企業側が求める販売や発送に必要な事務作業を習得する教育の充実も図っているところであります。 一昨年、事務作業の能力レベルがわかる、県独自に開発した検定を導入いたしましたので、この制度を活用することで、企業側の採用意欲を高め、さらなる就業先の確保に努めてまいります。 次に、不登校対策の現状と今後の取組についてのお尋ねでございます。 不登校支援の中核をなすスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーにつきましては、国に対して、配置充実のための財源確保や定数化を強く要望しているところであります。 また、本年5月に、有識者からなる「長崎県不登校支援協議会」を新たに発足させており、幅広い議論を通じながら、より実効性の高い対策を講じてまいりたいと考えております。 その一つとしまして、県立美術館等での芸術作品の鑑賞などを通しまして、不登校児童生徒の感性を刺激することで、自立につながる段階的な支援についても、今後、検討してまいりたいと考えております。 次に、離島留学生に対する学校のサポート体制についてのお尋ねでございます。 議員のお話にありましたとおり、離島留学実施校では、中学校の時に学校になじめなかった生徒や、数々な不安を抱えて生活している生徒もおります。このような生徒を支援するために、教員やスクールカウンセラー等を手厚く配置しておりまして、また、地域の方も一緒になって離島留学生の生徒を支えておりますので、多くの生徒たちは周囲への感謝の思いと自らの成長を感じながら卒業していきます。 今後も、親元を離れて生活する離島留学生が安心して充実した学校生活を送ることができるよう、サポート体制の充実に努めてまいります。 最後に、ライフジャケット着用の啓発についてのお尋ねでございます。 これまでも夏休み前には、各学校に対して、危険箇所における遊泳の禁止や泳ぐ前の体調管理などを通知して、児童生徒への指導の徹底を図っているところでございます。 今年度からは、水難事故防止に有効なライフジャケットの活用につきましても、この通知に盛り込むこととしており、一層の事故防止に努めてまいりたいと考えております。 ○議長(坂本智徳君) 県民生活環境部長。 ◎県民生活環境部長(貞方学君) 私からは、県民の安全・安心、動物愛護、大村湾の活用について、5点お答えをさせていただきます。 まず、子どもの事故防止に関し、国が実施する「子どもの事故防止週間」について、県ではどのような啓発に取り組んでいるのかとのお尋ねでございますが、本県では、「子どもの事故防止週間」に合わせてポスターやホームページでの情報発信など、市町や関係機関と連携して啓発に取り組んでおります。 また、保護者等の意識を高めるためには、幅広く確実な情報発信が重要です。県の公式LINEやデジタルサイネージなども活用し、効果的な情報発信を行ってまいります。 次に、アニマルポート長崎の老朽化に関し、建て替えについて、どのように考えているのかとのお尋ねですが、現施設は、昭和51年に設置され、これまで犬猫の譲渡施設やマッチングルームなどを整備し、動物愛護の機能強化を図ってまいりました。 しかし、施設や駐車場の老朽化、狭隘化に加え、建て替え財源や用地の確保などが課題となっております。 今後は、情報発信を含めた拠点施設として、さらなる機能向上や体制強化など、移転も含め、再整備のあり方について検討してまいります。 次に、犬猫のマイクロチップ装着について、その効果はどのようなものか、また、義務化に際して周知はどうなっているのかとのお尋ねでございますが、マイクロチップとは、固有の番号が記録された微細なマイクロチップをペットの皮膚の下に装着する電子器具です。 飼い主の情報をデータベースに登録することで、迷子や災害、盗難等の際に、マイクロチップの情報から飼い主の特定が可能となります。 県では、動物の販売事業者への義務化に伴い、事業者への周知徹底と併せ、立ち入り調査を実施し、マイクロチップの装着・登録について確認指導を行っております。また、ホームページやラジオ番組、SNSなどを活用し、幅広く県民へ制度の周知を図ってまいります。 次に、マイクロチップの安全性についてですが、医薬品・医療機器等の品質・有効性及び安全性の確保等に関する法律、旧薬事法でございますが、この法律で、動物用管理医療機器に分類されており、その安全性が認められております。 最後に、大村湾の水質改善及びガラスの砂浜の活用についてのお尋ねですが、現在、大村湾内の窒素やリンを削減する高度処理を行う下水処理施設は、大村湾南部浄化センターなど3施設ざいますが、特に、環境基準値を超える海域に接続する施設の高度処理化は重要です。引き続き、国に対し、必要な予算の確保を求めてまいります。 また、ガラスの砂浜では、小学生等を対象に、大村湾や海ごみに関する環境学習や浅場での生物の生息状況調査を実施いたしております。 今後とも、この砂浜を活かした環境学習や情報発信を通じ、県民に大村湾の環境に関心を持っていただけるよう努めてまいります。 ○議長(坂本智徳君) こども政策局長。 ◎こども政策局長(田中紀久美君) 保育現場における子どもの安全管理についての取組についてお尋ねですが、保育所等においては、子どもの年齢などに応じて、国が示したガイドラインに沿って事故防止に取り組んでいるところであります。 万が一事故が発生した場合には、迅速に応急措置を行い、再発防止のために記録し、重大な事故の場合は、県などに対して報告を行うこととなっております。 県としましては、各種研修会を通して事故防止にかかる保育士等の資質向上に努めており、今後とも保育所等における子どもの安全対策に万全を期してまいります。 ○議長(坂本智徳君) 危機管理監。 ◎危機管理監(多田浩之君) 私から、3点お答えさせていただきます。 防災情報システムの高度化についてのお尋ねですが、現在のシステムは、被害や避難情報等の入力、集約を行う際の操作数が多いなど、効率性に課題があるほか、他の防災機関との連携も図りにくいシステムになっております。また、住民への情報提供に当たり、情報集約等に一定の時間を要し、ホームページやスマホでの閲覧に対応していないなど情報発信の利便性等に課題があります。 そのため、再整備の経費を当初予算に計上しており、年度内にシステム刷新により高度化を図り、試験運用後、来年度可能な限り早い時期の本格運用を目指しております。 新システムでは、被害情報等の自動集約による外部発表の迅速化、防災ポータルサイトのスマートフォン対応、GISによる視覚的な情報提供、国のシステムとの連接による広域情報の共有、SNS情報のAIによる自動収集等を盛り込む予定であり、システムの高度化を積極的に進め、より迅速、的確、多様な情報提供等を目指してまいります。 次に、消防学校の資機材についてのお尋ねですが、消防学校の訓練資機材は、指導教官が日々の点検を行うとともに、使用期間や使用頻度を踏まえた更新のスケジュールを作成するなど、計画的な整備を行っているところです。 しかし、訓練資機材の中には長期的に使用しているものもあることから、安全に、時代に応じた訓練が実施できるよう、優先順位を考えながら整備に努めてまいります。 次に、本県の女性消防職員についてのお尋ねですが、令和3年4月1日現在、事務職を除く女性の消防職員構成比は、全国で3.2%、本県では2.1%、37人の女性消防職員が勤務しており、国は令和8年度当初5%を目標とし、市町消防では、学校訪問やインターンシップなどを実施しています。 県においても、今年度、消防学校で女性消防職員課程を新たに設け、情報共有や意見交換などの機会を提供することにより、市町の女性消防職員の活躍推進を支援してまいります。 ○議長(坂本智徳君) 土木部長。 ◎土木部長(奥田秀樹君) まず、スマートフォン版NAKSSのお尋ねですが、今後は報道機関との連携を強化するほか、SNSなどを活用して、さらなる普及促進に努めてまいります。 次に、大村湾を眺望する展望スポットの整備についてですが、本年度からサイクリストの安全性等を考慮しながら、関係者と箇所の抽出を行う予定です。 ○議長(坂本智徳君) 北村議員-12番。 ◆12番(北村貴寿君) 時間ぴったりの答弁、ありがとうございました。少し多く質問し過ぎたかなと反省をしておりますが、まず、幾つかの答弁に対して再質問等コメントを申し上げたいと思います。 知事の経営者としての理想像、理念についてお伺いしたところであります。知事の口からは対話であるとか、先頭に立つというような言葉を聞かせていただきました。ぜひ、全国最年少の知事として行動力を発揮していただきたいと存じます。 その関連する答弁の中で、総務部長からは、マネジメントの理想像だったり、能力の向上だったりというコメントがありました。非常によくわかる、悪く言えば、教科書に載っているような答弁だったかなと思います。 知事、ここは、やはりリーダーとして、人間大石賢吾として、どのような姿勢で仕事に臨んでほしいのか、職員に対して自分の言葉で、一言でメッセージをお願いしたいと思います。 ○議長(坂本智徳君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) 一言でということですので、どれを選ぶか非常に迷いますが、やはり県政を担っている立場ですので、県民の皆様に寄り添う職員であってほしいというふうに思っております。 ○議長(坂本智徳君) 北村議員-12番。 ◆12番(北村貴寿君) 承知しました。非常にお人柄というか、寄り添うというやさしさというものがあらわれた言葉だったのかなと思います。 質問の中で、長崎県庁は県民の幸福を創造する株式会社だというようなことで、知事はそのトップの経営者であるということで、私も、民間企業ではありますが、経営者の端くれでございます。若い頃からいろいろな社員と接してきましたけれども、やはり社員の士気を高めるというのは上司の姿、管理職の姿というのが非常に重要になってくるんですね。そういったコメントもございましたけれども、知事も、知事に就任されるまでは部下であったことがあろうかと思います。知事が尊敬する上司の姿、そういったものについて、ご所見をお聞かせ願えればと存じます。 ○議長(坂本智徳君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) 私が尊敬する先輩ですけれども、やはり高い視点を持って、さらなる上司が何を求めているか、一つ、二つ上の職員の方々がどういった視点を持っているかというのを常に考えながら、しっかりと自分の立場でできることを自発的にやると、そういった先輩に非常にご指導いただいていたことがありがたいなというふうに、部下として思います。 ○議長(坂本智徳君) 北村議員-12番。 ◆12番(北村貴寿君) ありがとうございました。高い視座に立って、自ら自発的に動く上司が、知事が尊敬する上司だということで、管理職の皆さんには、そういったことも考えながら、県庁職員のマネジメントをしっかり行っていただければと思います。 それでは、Web3.0時代への対応についてということで、「Digi田甲子園」、4つの市町が応募するようだというようなお話があろうかと思いましたが、公開できれば、その市町の名前をお願いいたします。 ○議長(坂本智徳君) 企画部長。 ◎企画部長(浦真樹君) 本県から推薦いたしました4つの市町でございますけれども、実装部門といたしまして、佐世保市、西海市、それから新上五島町、アイデア部門といたしまして長崎市を推薦したところでございます。 ○議長(坂本智徳君) 北村議員-12番。 ◆12番(北村貴寿君) ありがとうございました。地元の大村市が入ってなくて、ちょっと寂しいなと思いますが、しっかりと応援をしていただきたいなと思います。 次に、NFTについては研究を進めていくということで、かなり先進的過ぎて、内容が、皆さんまだよくわからないというようなこともありますし、いわゆるトークンは暗号資産でありますから、世界的な投資家も、これについては意見が分かれていることだと思います。 ただ、公共機関だからこそ発行できるトークンというものは、イギリスの財務省がNFTを発行しているように、長崎県も公共機関としてNFTを発行する。そして、これを金銭と交換するということではなくて、例えば、よく今までありましたボランティアポイントをトークンとして配布するとか、そういった使い方をしていただければと思います。 知事、選挙期間中に、平 将明衆議院議員に応援を賜られたと存じます。平先生は、この分野でのスペシャリストでありますから、しっかりとこのWeb3.0について対応をお願いしたいと要望をしておきます。よろしくお願いいたします。 次に、医療的ケア児支援センターについてお尋ねをいたしますが、こちらについては、ごうまなみ先生が熱心に進めてきていただいた政策でありまして、私は大村市に設置されるということで、今般取り上げさせていただきました。 しかし、ちょっと心配していることがございまして、この医療的ケア児支援センターに計上された予算の額をお願いいたします。 すみません、細か過ぎてすみません。800万円です。800万円、人件費だなと思ったんですが、県内全域をカバーする187人の医療的ケア児がいるということで、少々予算が小ぶりだなというような印象を持っているんです。ただ、いろいろ聞きますと、関係予算の400万円があるということで、そういった一体的に使えるんだというようなお話も聞きました。ぜひ、こちらは新たに開設されるセンターでございますから、県内全域をしっかりカバーできるように、その予算についてもしっかりと面倒を見ていただければと存じます。よろしくお願いします。 次に、手話言語条例の制定でございます。 先ほど部長から答弁がありました、課題もあるが効果もあると、検討するということでありました。これまでも同じような答弁をいただいておりましたが、昨日、久保田議員から前向きな検討なのかどうかというような問い合わせがありまして、これは前向きに検討しているのかどうかということについてコメントをいただきたいんですが、部長、よろしくお願いいたします。 ○議長(坂本智徳君) 福祉保健部長。 ◎福祉保健部長(寺原朋裕君) 現在、関係団体の皆様や、関係する市町の皆様とも意見交換を進めているところでございまして、その中で答弁したとおり、いろんな課題が出てきていますので、それを踏まえて検討しているという状況でございます。 ○議長(坂本智徳君) 北村議員-12番。 ◆12番(北村貴寿君) なかなか答えにくいというような状況かと存じますが、知事、しっかりと、ぜひ前向きに検討を進めるようにご指示をいただきたいと思います。 聾者の方々は大変期待をされておりますので、丁寧な検討をお願いしたいと思います。 次に、原油、原材料の高騰対策、6月15日から融資枠を追加するんだというようなお話でありました。こちらの融資枠、埼玉県、岐阜県などには先んじてございまして、埼玉が融資の限度額が8,000万円、岐阜県が1億円ということになっておりました。長崎県の制度融資については、その枠はどれくらいか、手元に数字はございますか。答弁できれば、お願いします。 ○議長(坂本智徳君) 産業労働部長。 ◎産業労働部長(松尾誠司君) 長崎県につきましては、別枠1億円というふうなことでございます。 ○議長(坂本智徳君) 北村議員-12番。 ◆12番(北村貴寿君) 岐阜県と同等ということで、非常によかったなと思います。中小企業の方も少し安心をされているのではないかなと思います。ぜひ貸ししぶりとか、貸しはがしがないように、お金は企業の血液でありますから、しっかりと補給をしていただきたいと、これは何も助成をするということではなくて、返していただくということでございますから、本来ならばゼロゼロ融資を実現していただきたかったんですけれども、なかなか難しいというような状況でございましたので、明日から速やかに制度融資を実行していただければと存じます。 次に、災害時における県の備蓄体制で、新たな専用の倉庫を建設するというようなコメントがあったかと存じますが、この新たな専用の倉庫をもう少し詳しく、いつできるのか、どこに設置されるのかといったことについて、答弁ができる範囲でお答えをお願いできますか。 ○議長(坂本智徳君) 福祉保健部長。 ◎福祉保健部長(寺原朋裕君) 詳細は改めてお答えをさせていただきますが、現在借りているところが一時的な場所でございますので、恒久的な場所を確保するということで、現在、その対策を進めているというところでございます。 具体的な時期等については、また改めてご説明させていただければと思います。 ○議長(坂本智徳君) 北村議員-12番。 ◆12番(北村貴寿君) ありがとうございました。答弁の中で、基本的に災害対策は、主体としては市町なんだと、そのバックアップとして県がやるんだというようなことでございますので、段ボールベッドを含めて、しっかりと備蓄体制をとっていただきたいなと思います。 次に、サイクルツーリズムの推進において、最後ぎりぎりの答弁で、少し言葉が聞きづらかったんですが、これは大村市において眺望スポットを整備するために、その場所の検討をはじめるというようなことでよかったんでしょうか、確認です。 ○議長(坂本智徳君) 土木部長。 ◎土木部長(奥田秀樹君) 大村市も含めて、眺望のよいところを、これから関係者とともに選定していくということです。 ○議長(坂本智徳君) 北村議員-12番。 ◆12番(北村貴寿君) ありがとうございました。ぜひ、大村市からはじめていただければありがたいなと思います。よろしくお願いをいたします。 次に、ライフジャケット着用の推進でございます。これは大村市のLove&Safetyも非常に熱心に取り組んでおられまして、周知をするんだというようなお話がありました。例えばその中で、香川県で県がライフジャケット・レンタルステーションを設置していると、なんでそんなことができるのかなと思っていろいろ調べてみましたら、香川県では2020年に、修学旅行の児童生徒を乗せた船が沈没しているんですね。そのときに全員助かったと、ライフジャケットで、そして、その生徒たちは、事前にライフジャケットの着用などの訓練をしていたというようなことでございます。 ぜひそういったことをやってほしいと思うんですが、いきなりということはなかなか難しゅうございますので、ぜひ、教育委員会教育長、これは実際に現地に赴いて、当時の事故を体験された校長であるとか、そういった関係者に県の職員を派遣して検討を進めていただきたいと存じますが、いかがでしょうか。 ○議長(坂本智徳君) 教育委員会教育長。 ◎教育委員会教育長(中崎謙司君) 少しそういった他県の事例も参考にさせていただきたいと思います。 ○議長(坂本智徳君) 北村議員-12番。 ◆12番(北村貴寿君) あと20秒になってしまいました。子どもの安全管理士、前回の質問では、私も受講しますから、一緒にやりましょうと、お伺いしまして、オンデマンド形式になって、いつでも受講できるということでございます。来年の4月、私も受講したいと思います。合格するかどうかは、選挙の結果次第でございますので、ご報告を差し上げたいと思います。 ご清聴ありがとうございました。 ○議長(坂本智徳君) 午前中の会議はこれにてとどめ、しばらく休憩をいたします。 午後は、1時30分から再開いたします。     -午後零時17分 休憩------------------------------------     -午後1時30分 再開- ○議長(坂本智徳君) 会議を再開いたします。 午前中に引き続き、一般質問を行います。 山下議員-11番。 ◆11番(山下博史君) (拍手)〔登壇〕皆さん、こんにちは。 自由民主党、佐世保市・北松浦郡選出、山下博史でございます。 一般質問の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。 今日は、わざわざ傍聴席まで来てくださった方々、それから、ライブ配信でご覧をいただいている方々に心から感謝を申し上げます。 通告に従いまして、一括質問にて質疑をさせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。 1、知事の政治姿勢について。 (1)世界秩序の変化と長崎県の役割について。 世界を見渡しますと、ここ数年間で猛烈な勢いで情勢は変化し、新型コロナウイルスは、これまでの常識や概念を壊し、新しい価値観を生み出しました。 そのような中、ロシアのウクライナ侵攻は、世界に大きな衝撃を与え、今なおロシアによる攻撃は続いている状況であります。そのロシアとは国境で接しており、さらには、近隣国、北朝鮮による日本への脅威も増大しつつあり、武力による世界秩序の変化は、日本にとっても、長崎県にとっても、国防上、非常に懸念される事案であることは明確であります。 地政学的なリスクを考える時、我が長崎県は、今、どのような立ち位置に置かれていて、どのような役割があるのでしょうか。 一つは、原子爆弾を投下された被爆地長崎だからこそ、全世界に戦争反対と平和へのメッセージを強力に発信できるのであります。 二つ目に、佐世保市、西海市には、米軍基地や米軍施設、海上自衛隊佐世保総監部、陸上自衛隊相浦駐屯地水陸機動団、陸自崎辺分屯地、海自教育隊が配備、大村市には陸上自衛隊大村駐屯地、竹松駐屯地や海自大村航空基地、さらには、水陸機動団の第三連隊が新しく配備予定であります。長崎市には長崎地方協力本部、五島と対馬には空自レーダーサイト、対馬には陸自警備隊、海自対馬防備隊、壱岐には警備所、そして、東彼杵には陸自大野原演習場もあるわけであります。 このように、平和と安寧な日本と長崎県を守るために、県内各要所に米軍と自衛隊が配備されており、我が県は被爆県であると同時に、国防県であるということがよくわかるわけであります。 そこで、県庁組織を見てみますと、原爆被爆者援護課というセクションがあり、被爆者の皆様の援護や各種手当や給付等を行っていただいております。片や、日本でも有数の国防県長崎県であるのに、基地対策課のようなセクションがないのはなぜでしょうか。同じように国防県である神奈川県や山口県は、専門のセクションを置いているわけであります。 私は、このように世界が不安定な秩序の時代だからこそ、県としてしっかりと基地対策専門の組織を設置すべきで、さらに高度な情報収集や県警との連携、または、よりハイレベルな米軍や自衛隊との連携が必要であるというふうに考えています。そのことから、県民の生命と財産を守ることにつながるというふうに思います。 私の地元の佐世保市民からも、多くの賛同の意見をいただいております。現在、危機管理課の基地対策班で懸命に業務を遂行していただいていることは十分理解したうえで、あえて知事にお尋ねをいたしますが、今後、基地対策専門の組織を設置することについてのご見解をお尋ねいたします。 2、石木ダムについて。 (1)県民から理解を得るための広報活動について。 石木ダムについては、さきの先輩議員の質問で、推進のための施策や今後の工事スケジュールについて議論がなされました。私は、少し違った角度で質問をしたいと思います。 石木ダムは、県と佐世保市が治水、利水対策の一環として取り組んでいる大変重要な事業であることは申し上げるまでもございませんが、現況、佐世保市が管理している利水ダムの多くが、老朽化が進み、改修する必要に迫られていて、改修の間はダムを空にしなければならず、水不足の現状では改修工事を行えないことや、今後、IR認定整備が見込まれ、交流人口や定住人口が増大する予測が立つことからも、石木ダムによる早急な水源確保が求められているところでございます。 現在、県は、ダムの本体の掘削工事と付け替え道路工事を進めていますが、事業に反対されている地元住民の方々は、事業の必要性について理解を示していただけず、土地の明渡しに応じていただけてない状況が続いているわけであります。 さらに、今年1月の長崎新聞における石木ダムの賛否を問うアンケートによりますと、4割を超える方から「計画を聞いたことがあるが、判断できない」や、「石木ダムをつくると水道代が上がってしまうのか」などの声をいただいております。 本定例会の中でも、地元住民の方々との対話の進め方や、推進団体の皆様のお話を聞くことについて答弁がなされたところではありますが、事業を進めるに当たっては、県民の皆様から事業の必要性についてのさらなるご理解を得ることも必要であるため、広報活動にもっと力点を置くべきだというふうに考えますが、土木部長の見解をお尋ねいたします。 3、県庁内のDXについて。 (1)現在の取組み状況と組織改正の目的について。 県は、平田 研副知事をトップとする「Society5.0推進本部」を設置し、様々な分野のDX推進に取り組んできていると認識をしております。コロナ禍を通して行政分野のDXも加速してきておりますが、県庁内のDXについてはどのような状況なのでしょうか。 今年4月には、情報システム課を「スマート県庁推進課」と組織改正されたのも、何か理由があってのことと推察できますが、最近の県庁内のDXについての取組状況と、今般の組織改正の趣旨について、お尋ねいたします。 4、道路行政について。 (1)西九州自動車道佐世保大塔インターの渋滞対策について。 西九州自動車道の佐々インターから佐世保大塔インターまでの区間においては、交通量が多く慢性的な渋滞が発生していることから、現在、西日本高速道路株式会社において、4車線化の工事が進められているところであります。 一方で、佐世保大塔インターの周辺道路も渋滞していることから、地域住民の生活の支障となっており、将来、IRが認定整備された際には、各方面からも今以上の交通量が大塔インターチェンジに集中することが見込まれます。 また、将来、東彼杵道路が整備されますと、交通の流れも一気に増加する予測もあります。IR区域整備計画の中に、交通アクセスの強化で道路整備が明記されておりますが、県として佐世保大塔インターチェンジを含めた周辺道路の交通渋滞にどう対応していくのか、見解をお尋ねいたします。 (2)早岐・広田地区周辺の渋滞対策について。 佐世保市の早岐地区・広田地区は、慢性的に交通が混雑している地域で、住民の生活に支障を来していると同時に、一刻を争う災害時や救急時の対応にも支障を来すのではないかと心配をされているところでございます。 特に、地域の主要な生活道路である一般県道平瀬佐世保線の渋滞が顕著になっています。さらに、IRが認定整備されると、現在の道路事情では大渋滞が予測されます。IRが認定整備されても、されなくても、現状を変えるために渋滞対策はさらに進めていくべきだと考えます。 現在、県において対策工事が進められているところですが、交通混雑に対する県の現状認識と、その対応について、お尋ねをいたします。 (3)都市計画道路未着手区間佐世保縦貫線の進捗状況について。 都市計画道路佐世保縦貫線の潮見交差点から福石町交差点までの約710メートル区間については、幅員36メートルに拡幅する計画で、昭和21年に都市計画決定されておりますが、70年以上が経過した現在も未整備の状態となっております。 平成27年度の佐世保市全体の都市計画道路見直しでは、現在の計画を存続することとされたことから、その後、事業化に向けた検討が進められてきたわけでありますが、現在も土地や建物の所有者には長期間の建築規制が課されたままとなっており、早急な解決が必要であると考えております。 そのような中、昨年11月には、地元と意見交換会が開催され、様々な意見が出たかと思いますが、その後、進捗がどのような状況か、お尋ねいたします。 5、伝統的工芸品の振興について。 (1)三川内焼と佐世保独楽の振興について。 我が県には、地域の歴史や風土、生活の中で育まれ、受け継がれてきた伝統的工芸品があります。 佐世保市においては、三川内焼が国の伝統的工芸品に、佐世保独楽が県の伝統的工芸品に指定をされており、いずれもコロナ禍で影響を受けている中で、県からの支援に感謝をしているという声も聞かれております。 伝統的工芸品の振興は、人々の生活に豊かさと潤いを与えるとともに、地域経済の発展に資する大事な産業だと考えますが、県の支援の取組状況について、お尋ねをいたします。 6、スタートアップ支援について。 (1)現状について。 (2)今後の取り組みについて。 国においては、未来を切り拓く新しい資本主義の実現を掲げ、その柱となる成長戦略の一つとして、スタートアップ支援の強化に取り組むこととされています。 私も、スタートアップは、若者の斬新なアイデアや最先端の技術を活用し、新たなビジネスが生み出されることから、こうした動きを伸ばしていくことで地域が活性化するとともに、多様な働き方を生み出し、若者の県内定着にもつながると考えています。 県におかれては、これまで交流事業を積極的に推進し、スタートアップ創出に向けて取り組んでこられ、高く評価しているところであります。 県におけるスタートアップ支援の現状について、若い方の事例を中心にお尋ねをいたします。 ウィズコロナ、アフターコロナを見据え、スタートアップ創出を加速させるため、今後、どのようなことに取り組んでいかれるのか、併せて、県の考えをお尋ねいたします。 7、医療福祉行政について。 (1)災害派遣福祉チーム(DCAT)の状況について。 ここ近年、全国各地で大規模災害が多発しており、高齢者や障害者、乳幼児など、配慮が必要な方が避難所等で長期間避難を余儀なくされるケースが増えてきています。 こうした方々には、早期に福祉ニーズを把握し、必要な支援を行わなければ、生活機能の低下、症状の悪化などの二次被害が生じてしまうリスクが指摘されております。 県では、配慮を要する方々が避難所での生活で必要な支援を受けられるよう、福祉関係団体との協定により、施設の介護職員などを中心とした災害派遣福祉チーム(長崎DCAT)が組織をされており、災害時に避難所へ派遣される仕組みになっているとお聞きしております。 「長崎DCAT」は、災害救助法が適用されるような大規模災害が想定されており、本県において、これまでの派遣実績はないとのことですが、昨年度、本県においても22年ぶりに災害救助法が適用されたところであり、今後、いつ、どこで大規模災害が発生するかわからない中、DCAT出動要請があった場合、チームとして迅速かつ効果的な対応がでるきよう、事前に備えておくことが重要だと考えますが、平時からのDCATチームの質の向上や連携を高めるため、県としてどのように取り組んでいかれるのか、お尋ねをいたします。 (2)IR認定整備に伴う県北地区医療提供体制について。 IR認定整備に伴い、今後、新たな雇用創出や観光客の増加が見込まれ、定住人口や交流人口は一日約3万人程度とも言われております。人口増による一方で、地域における医療需要の拡大も懸念をされております。 先般、令和5年度の県の施策等に関する佐世保市要望にもありましたとおり、佐世保県北地域は、医師の高齢化に伴い、不足する医療への対応や診療科偏在の解消など、安定した地域医療体制の確保が大きな課題になっております。 そこで、IR認定整備に伴い医療需要の拡大が見込まれる中、佐世保県北地域の医療提供体制の確保のため、今後、県としてどのように取り組んでいかれるのかをお尋ねいたします。 8、文化芸術の振興について。 (1)県北地域における長崎県美術館分館の整備について。 県北地域の中心を担う佐世保市において、質の高い文化芸術を醸成するための美術活動の拠点として、さらには、文化芸術によるまちの新しい価値や魅力の構築を通じて地域振興を図る拠点として、新たな美術館は必要不可欠であります。 今、読み上げましたのは、令和5年度の佐世保市の県への施策要望の一文です。 このように、毎年、毎年、重点課題の一つにも上がっており、佐世保市民の悲願でもあります。ぜひとも前向きにご検討をいただいて、県北地域の皆様に身近に文化芸術に触れていただける機会を提供するために、県美術館分館の整備について、ご答弁をお願いいたします。 9、農林行政について。 (1)農業移住者の支援について。 本県では、他県より急速に人口減少や高齢化が進んでおり、農業分野においては、地域集落の維持や、特に、担い手の減少に伴う産地の維持が困難になっていくことに危機感を持って対応していかなければなりません。 県では、人口減少対策として、県外から移住者を呼び込むため、様々な施策に取り組まれていますが、中でもぜひ、本県の農業分野を多くの移住希望者の方々に選んでいただき、本県農業の今後の維持・発展に地元の皆さんと一緒に取り組んでいただきたいというふうに考えております。 ところが、本県にご縁がない方々が農業で生活をしようと志して移住を考えた場合、農地の確保や技術の習得、機械・施設の設備投資やコスト高等、多くの課題があり、手厚い支援が必要になってきます。 移住してくる方は、各自治体の支援制度等を参考に移住先を選定していると思われ、例えば関東の方が九州に就農移住したいと考えた時、九州他県より我が長崎県を選んでいただくためには、支援制度の充実が大変重要なことと思います。県として、どのように支援をしていくのか、お尋ねをいたします。 10、教育行政について。 (1)教育委員会教育長の抱負について。 まずは、中崎教育委員会教育長、ご就任、誠におめでとうございます。 教育委員会教育長は、対馬振興局長や文化観光国際部長を歴任され、様々な県政の課題と向き合ってこられたことと思います。教育委員会におかれましては、県政上の重大な課題の一つである人口減少問題に対して、これまでもふるさと教育に取り組まれてきていると思いますが、教育委員会教育長ご自身の経験を活かして、今後どのように取り組んでいこうとされているのか、抱負についてお尋ねをいたします。 以上、本質問はこれにてとどめ、時間がある場合は、対面演壇席にて再質問をさせていただきます。 ○議長(坂本智徳君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) 〔登壇〕山下議員のご質問にお答えいたします。 世界秩序の変化と長崎県の役割についてということで、世界が不安定な秩序の時代だからこそ、国防県である本県も基地対策の組織を設置すべきではないかとのお尋ねですが、我が国は、日米同盟を基軸とし、日米間の緊密な連携を図りながら、地域と国際社会の平和と安定を目指していく安全保障体制のもとで、平和国家として歩みが重ねられてきております。 自衛隊におかれても、国民の命と平和な暮らしを守り抜く責務に全力で取り組まれていることと思います。 また、本県においては、県内各地に多くの自衛隊の部隊が配備されており、国の平和と安定に大きな役割を果たされている一方で、佐世保市では、米軍基地が所在することにより、市民生活に大きな影響が生じるなど、長年にわたる課題も存在しております。 世界情勢がロシアのウクライナ侵攻や北朝鮮による弾道ミサイル等の発射により不安定さを増し、国の防衛力の強化が議論されている中、本県では、大村市に陸上自衛隊水陸機動団の3個目の連隊の配備が決定したところです。 佐世保市では、基地との共存共生を掲げた新たな基地政策方針を策定されるなど、基地を取り巻く状況に大きな変化が生じております。 このため、県としても、関係自治体と連携した基地対策を促進するとともに、国防を担う自衛隊と、有事に備えた一層の連携強化に取り組んでいく必要があると考えております。組織につきましても、しっかりと検討を進めてまいります。 残余のご質問につきましては、関係部局長から答弁をさせていただきます。 ○議長(坂本智徳君) 土木部長。 ◎土木部長(奥田秀樹君) 私から、4点お答えいたします。 まず、石木ダム事業について、広報活動に力を入れるべきとのお尋ねですが、石木ダム事業の必要性については、司法の場等において既に認められているところですが、県民の皆様に対して説明を尽くしていく必要があると考えています。 県におきましては、これまで、全世帯広報誌や新聞広告などで石木ダムの必要性等を説明してきたところです。 今後は、新たな広報媒体としてSNSを活用するとともに、これまで以上に広報活動の機会を増やすなど、積極的に取り組んでまいります。 引き続き、共同事業者である佐世保市と連携しながら、県民の皆様の事業に対するご理解が深まるよう努めてまいります。 次に、佐世保大塔インターチェンジの渋滞対策についてのお尋ねですが、西九州自動車道の佐世保大塔インターチェンジは、国道35号や国道205号と接続しており、交通量が多いうえ複雑な構造となっています。 このため、以前から周辺道路を含め、朝夕の通勤時間帯などに渋滞が発生しており、主要渋滞箇所にも選定されています。 これまでも、関係機関による渋滞対策協議会において対応を検討し、信号現示や車線運用の変更などの対策を行ってきており、一部では改善が見られているところです。 また、現在進められている佐世保道路の4車線化により、佐世保大塔インターチェンジでの渋滞の一部は解消するものと考えています。 しかしながら、今後も周辺道路の渋滞やIR開業による影響など課題が残ると考えられることから、国や西日本高速道路株式会社、佐世保市と協力して勉強会を設置し、今年度から改めて検討を始めたところです。 今後、抜本的な対策も含め、佐世保大塔インターチェンジ周辺の渋滞対策について、積極的に検討してまいります。 次に、早岐・広田地区周辺の交通混雑についてのお尋ねですが、早岐・広田地区周辺は、道路沿線に商業施設が多数立地していることなどから、交通が集中し、複数の交差点が主要渋滞箇所に選定されています。 このうち、汐入橋交差点については、交通の分散による混雑緩和を図るため、県道平瀬佐世保線から並行する市道へ直結する広田工区の整備を進めており、令和5年度の完成供用を目指しています。 また、県道平瀬佐世保線の早岐橋については、早岐川の河川改修に合わせて、拡幅による右折帯の設置を計画しています。 引き続き、早岐・広田地区の道路状況を注視し、交通混雑の解消に向けて取り組んでまいります。 次に、都市計画道路未着手区間佐世保縦貫線の進捗状況についてのお尋ねですが、都市計画道路、佐世保縦貫線の潮見交差点から福石町交差点までの未整備区間は、並行する西九州自動車道の4車線化による交通量を考慮し、6車線に拡幅する計画を現在の4車線のままとする計画の見直しが必要であると考えています。 一方、路線バスの停車や交差点の右折車が多いことなどによる交通混雑も発生していることから、バス停付近や交差点の局部改良は必要であると考えています。 計画の見直しに向けて、国、県、佐世保市の関係者で協議を進めながら、昨年11月に土地や建物の所有者との意見交換会を実施し、様々なご意見をいただきました。 現在、地元自治会や関係住民への個別説明、関係機関との協議を行い、交差点の改良計画やバス停の設置位置など具体的な道路計画の検討を進めているところです。 今後、個別の調整が整い次第、改めて道路計画案について、地元の皆様のご意見をお伺いし、国や市としっかり連携しながら、都市計画の変更手続を進めてまいります。 ○議長(坂本智徳君) 総務部長。 ◎総務部長(大田圭君) 私から、1点ご答弁申し上げます。 県庁内DXについて、その取組状況と今般の組織改正の趣旨はというお尋ねをいただきました。 県庁内のデジタル改革の具体的な取組といたしましては、令和2年度からパソコン上の定型作業を自動化するRPAですとか、AI会議録システム、こちらの本格導入をしまして、その活用を拡大しているところでございます。 さらに、今年度といたしましては、専門的なプログラム言語の知識がなくても簡易なシステムを構築することができるノーコード開発ツール、あるいはキャッシュレス決済機能等を備えた電子申請システム等を導入いたしまして、さらなる業務効率化及び県民サービスの向上に向けた取組を進めることといたしております。 このように、行政手続のオンライン化による県民サービスの一層の向上やRPA等の新技術活用の強化など、庁内業務のデジタル化を加速するとともに、人材育成も含めまして、県庁そのものをデジタルによって改革していくという思いを込めまして、本年4月から情報システム課を「スマート県庁推進課」として改組をしたという状況でございます。 ○議長(坂本智徳君) 産業労働部長。 ◎産業労働部長(松尾誠司君) 私の方から、3点お答えさせていただきます。 佐世保市の伝統的工芸品の振興に向けた支援について、どのように考えているのかとのお尋ねですが、県では、国指定の伝統的工芸品である三川内焼や、県指定の佐世保独楽について、地域の歴史や文化が育んだ大事な産業であることから、支援を行っているところであります。 三川内焼につきましては、首都圏での販売強化を図るため、産地と連携して東京のセレクトショップでの販売や、日本最大級の展示販売会への出展等を支援してまいりました。 コロナ禍において、対面販売や業務用の需要が落ち込んだため、ECサイト構築やSNS等を活用したPRを支援するなど、新たな販路開拓に取り組んでいるところであります。 また、佐世保独楽については、コロナ禍で店頭販売が大きく影響を受けたため、昨年度はリモートによる製作体験やECサイトでの販売強化を支援いたしました。 事業者からは、製作体験を通じてECサイト販売に誘導でき、新たな需要を取り込めたとの評価をいただいており、今後は、国内外からの観光客等に向け、多言語のカタログ制作等を支援してまいります。 県といたしましては、今後の本格的な人流回復やコロナ禍で変化した販路を見据え、産地等の意見を踏まえながら、引き続き伝統的工芸品の振興に取り組んでまいります。 次に、スタートアップ支援の現状はどうかとのお尋ねですが、県では、新たなビジネスモデルによって成長を目指すスタートアップ企業の集積を図るため、交流拠点施設CO-DEJIMAを整備するなど、県内スタートアップ企業の支援に取り組んでおり、新たな動きも出始めているところであります。 具体的な県の支援としては、外科手術の方法を検討する際に利用される人工関節について、AIと3Dプリンターを活用するアイデアを持つ県立大学の学生に対し、専門家を派遣し、事業化に向けた助言を行っております。 このほか、県では、若手起業家の裾野を広げるため、昨年11月、佐世保市において開催されたスタートアップ体験イベントを支援したところであります。引き続き、幅広い人材の交流を促し、アイデアや技術を高めあう場の提供を行ってまいります。 最後に、今後のスタートアップ支援にどう取り組むのかとのお尋ねですが、スタートアップ企業の創出を加速させるためには、県内での裾野の拡大が必要であり、スタートアップへの関心を高める機運醸成の取組や、事業化につながる資金調達ができる環境づくりが重要だと認識しております。 このため、今回の補正予算でご提案しておりますミライ企業Nagasaki推進事業において、投資家とスタートアップ企業とのマッチングイベントを開催し、スタートアップを目指す参加者に対して、専門家が事前指導を行うことで事業のブラッシュアップ等を促し、投資家からの資金獲得までつなげてまいります。 さらには、ビジネス化にはまだ至らないものの、アイデアがすばらしい事業案については、投資家からのアドバイスに沿った取組を併せて支援してまいります。 ○議長(坂本智徳君) 福祉保健部長。 ◎福祉保健部長(寺原朋裕君) 私からは、2点お答えさせていただきます。 災害派遣福祉チーム「長崎DCAT」について、平時からチームの質の向上や連携を高めるため、県としてどのように取り組んでいるのかとのお尋ねですが、災害派遣福祉チーム「長崎DCAT」は、県と県内12の福祉施設団体等が、平成29年に締結した協定に基づき、体制を構築いたしました。 令和4年5月時点で、団体に加入する施設・事業所の社会福祉士、介護福祉士、保育士等、九州各県の中では最も多い658名がDCATのメンバーとして登録されており、毎年、団体を通じて施設・事業所における連絡体制の確認や、国が開催する研修会の受講などをお願いしているところです。 全国的には、13府県の派遣実績があり、今後は、先進県への視察や実動訓練を実施するなど、災害に迅速かつ実効性のある活動ができるよう、平時からの資質向上に努めてまいります。 次に、IR認定整備に伴う医療需要の拡大が見込まれる中、佐世保県北地区の医療体制の確保のため、今後、県としてどのように取り組むのかとのお尋ねですが、本県は、全国9位の医師多数県とされている中、県としては、医師確保計画に基づき、必要な医師の確保に努めてまいりましたが、佐世保県北医療圏においては、特に、医師の高齢化や診療科の偏在があり、救急医療など地域に必要な医療提供体制の確保は重要な課題と認識しております。 このため、佐世保市総合医療センターへの救命救急センター設置に対する支援や、医師の斡旋及び代診医の派遣等に努めてまいりました。 令和9年度開業を目指しているIRについては、集客に伴う医療需要の動向を見極めつつ、必要となる医療提供体制の確保に向け、地元佐世保市とともに取り組んでまいります。 ○議長(坂本智徳君) 文化観光国際部長。 ◎文化観光国際部長(前川謙介君) 県北地域の住民の方々に身近に文化芸術に触れる機会を提供するために、長崎県美術館の分館が整備できないかとのお尋ねでございます。 県民の皆様が優れた芸術に親しみ、また、参加できる機会を充実させるということは大変重要なことと考えております。 しかしながら、県政において様々な課題が山積する中におきまして、こうした課題に優先する形で新しい施設を整備するということは、本県の厳しい財政状況等を踏まえますと容易なことではないと考えております。 こうした中にありまして、これまでもソフト面におきましては、県美術館等の収蔵作品を展示する移動美術館でありますとか、あるいはテレビ会議システムなどを活用いたしまして、美術館の作品を学芸員と対話しながら鑑賞する遠隔授業、また、県展入賞作品を中心といたしました県美術展覧会の開催など、様々な形で優れた美術作品の鑑賞機会の提供に努めているところでございます。 引き続き、市町とも協議しながら、県北地域での文化芸術事業に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 ○議長(坂本智徳君) 農林部長。 ◎農林部長(綾香直芳君) 本県に移住して農業を始めたいと考える人への対応、支援についてのお尋ねでございますが、県では、県内外から広く新規就農者を獲得するため、新規学卒者に加え、UIターン者の就農対策に取り組んでいるところです。 具体的には、県内外の就農希望者に対し、SNSやホームページ、広告媒体を活用して、本県の農業のもうかる姿や就農支援制度、農山村地域の魅力や生活環境情報などを広く発信することで、就農相談会やオンライン就農相談につなげております。 加えて、就農を希望する人を対象とした技術習得支援研修の実施や、JAが主体となった生産と経営技術習得をサポートする研修機関の立ち上げを推進しているところです。 その後、就農時に必要な初期投資の軽減を図るため、国庫事業や県の単独事業等を活用して機械・施設の導入を支援することで、毎年県外からのUIターン者が40名程度、県内で就農をしている状況です。 また、今年度から県独自の新たな取組として、特に、UIターン者の初期投資をさらに低減するため、JAが行う中古農業用ハウス等のリース事業に対する支援を行い、より一層の新規参入を図っていくこととしております。 県としましては、今後もこうした取組を市町や農業団体と一体となって推進することで、県内外からの新規就農者の確保に取り組んでまいります。 ○議長(坂本智徳君) 教育委員会教育長。 ◎教育委員会教育長(中崎謙司君) これまでの経験を活かして、今後、ふるさと教育にどのように取り組んでいこうとしているかとのお尋ねでございます。 私はこれまで、観光行政に長く携わってきましたが、この経験はふるさと教育にも活かせると思っております。 特に、コロナ禍の観光施策で、県民の皆様に県内での家族旅行や修学旅行を通じまして、本県の魅力を再発見いただきましたが、改めて長崎ならではの歴史や文化、自然環境や食などのすばらしさを、教育行政の立場から、子どもたちの記憶と心にとどめるような仕掛けづくりを検討してまいります。 また、県全体が100年に一度と言われる大きな変革期を迎える中、私がこれまで携わってきた観光業をはじめ、各産業の人材ニーズが急速に多様化しつつあると感じておりますが、子どもたちに各地域や産業界がどのような人材を求めているかを知ってもらい、小中学校段階から、高校卒業後の出口を意識させる教育についても必要であると考えております。 今後とも、生まれ育った地域のことが好きになり、将来の自分がそこで果たす役割に思いをはせるような子どもたちが増えていきますように、市町や民間の皆様とも連携しながら、より厚みのある小中高一貫したふるさと教育を展開してまいりたいと考えております。 ○議長(坂本智徳君) 山下議員-11番。 ◆11番(山下博史君) ご答弁ありがとうございました。時間がありますので、再質問を数点させていただきたいと思います。 まず、県庁内のDXについて、今、総務部長から、RPAの新技術やAIの活用ということでご答弁をいただいて、今現在の取組状況については理解をすることができました。 ただ、ICTというのは日々進化を続けておりまして、常にアップデートが必要じゃないかというふうに思います。そうじゃないと、ほかの自治体、都道府県や自治体から取り残されていくというようなことも考えられるわけであります。 県のDXの責任者として平田 研副知事がいらっしゃるわけでありますが、今後の県庁のDXの課題がどこにあって、今後どのように対応されていこうと思われているのか、ご答弁をお願いいたしたいと思います。 ○議長(坂本智徳君) 平田 研副知事。 ◎副知事(平田研君) 昨今のICTは、かつての日進月歩と言われる状況から、秒進分歩と言われるほどに加速をしておりまして、様々なツールが開発されておりますけれども、県にとってのICTは、その導入が目的ではなく、あくまでも県民サービス向上などの目的を達成するための道具でありますので、目的を明確にしながら、最適なツールを的確に選択し、十分に使いこなしていくことが重要だと考えております。 ICTを効果的に活用していくためには、使い手である職員のリテラシーが重要となってまいりますので、デジタル人材の育成に力を入れていきたいと考えております。 また、職員のみでは限界もありますので、最先端の知識・経験を有する民間人材の活用も必要だと考えており、現在、その体制の構築について検討を進めているところであります。 いずれにしましても、県庁デジタル改革の実現は、行政資源が限られ、地理的にも条件不利地が多いがゆえにデジタルの特性を活かしやすい本県にとって、質の高い県民サービスを提供していくための喫緊の課題でありますので、県庁一丸となってしっかり取り組んでまいりたいと考えております。 ○議長(坂本智徳君) 山下議員-11番。 ◆11番(山下博史君) ご答弁ありがとうございました。 先ほど、民間人材の活用ということもお話に出ました。いろんな見識、知識を、内部だけじゃなくて、外部からも取り入れることによって、しっかりと取り組んでいただければと思っておりますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。 次に、伝統的工芸品の振興についてでございます。 私、今日は佐世保独楽を持ってきました。(独楽掲示)これは珍しい配色で縁起がいいゴールドの配色でありまして、実際、これは回せます。今は回せませんけれど、回すことができます。 議長の許可をいただきまして、今日は三川内焼もお持ちしましたけれども、(三川内焼掲示)こちらは平戸洸祥釜の中里一郎さん、県の無形文化財に指定されている方の作品ですけれども、本当にすばらしい作品で、今日お持ちしたわけであります。 私も先日、子どもの頃を思い出して、小学生の息子と、「いきながしょうもんしょうくらべ」というかけ声で独楽回しをするんですけれども、これはどっちが長く回せるかという勝負です。それで勝負をしましたけれど、息子には勝てませんでした。 こういうふうに、今、佐世保では佐世保独楽の魅力を再発見しようということで、各地で独楽回しの大会とか、いろんな佐世保独楽に関連するイベントなどが開催をされております。 佐世保市の一部の小学校では、実際に独楽への絵付けを体験することとか、独楽の回し方が分からないというとで独楽回しの体験イベント、小学校で体験をしていただく、そういうこともしていただいております。こうやって佐世保独楽の魅力を後世にずっとつないでいこうという学習をしていただいているところであります。 そこで、教育委員会教育長にぜひお尋ねしたいんですけれども、このような小学校での学習の中に、伝統的工芸品を学ぶ機会をもっともっと広げていっていただきたいなと思うんですけれども、ご見解はいかがでしょうか。 ○議長(坂本智徳君) 教育委員会教育長。 ◎教育委員会教育長(中崎謙司君) 今、お話にありましたとおり、佐世保市の多くの小学校では、生活科の学習の中で、佐世保独楽を使った遊びを体験しておりまして、中には地域の高齢者の方々を学校に招いて、そして、子どもたちに遊び方を教えていただいている学校もあると聞いているところでございます。 このことは、遊びを通じまして、子どもたちが郷土の伝統的工芸品への愛着を深め、地域の方々と触れ合うことができる意義深い学習でありますので、今後、先ほど申しましたふるさと教育を検討していく中で参考にさせていただきたいと思っております。 ○議長(坂本智徳君) 山下議員-11番。 ◆11番(山下博史君) 今、ふるさと教育ということでありました。ふるさと愛といいましょうか、ふるさとを思う気持ちというのを佐世保独楽を通じて育んでいっていただければ、それがふるさと教育につながっていくのではないかなと思いますので、ぜひ小学校の現場の方で、できるだけ取り組んでいただければなと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。 次に、スタートアップについて、再質問させていただきたいと思います。 スタートアップの関連の答弁にありましたスタートアップ体験イベントについてですが、答弁にもありましたとおり、私の地元である佐世保市で開催していただいておりまして、大変ありがたいというふうに思っております。 このようなイベントに限らず、スタートアップ企業を生み出す交流事業を、ぜひとも今後も継続して実施していただきたいということで、こちらは要望にかえさせていただきます。 さらに申し上げますと、佐世保市については、県北の中核都市でありまして、若者の活力にあふれた魅力的な地域であるということは皆様ご承知のとおりであります。これからスタートアップ企業が続々と生み出される可能性を秘めているのではないかというふうに思います。 県がスタートアップの振興を推進するに当たっては、非常にこれは重要な視点になるのではないかと考えますが、最後にお尋ねしますけれども、県全体のスタートアップ振興を考える意味で、佐世保市は非常に期待が持てる地域だと私は思うんですけれども、確認の意味で、再度部長の答弁をお願いいたします。 ○議長(坂本智徳君) 産業労働部長。 ◎産業労働部長(松尾誠司君) 佐世保市の特徴としては、まちとしての多様性があることや、IR誘致に対する期待感も増しており、加えて、佐世保高専には、起業家精神を学ぶキャリアセンターがあるなど、スタートアップ施策を展開するうえで非常に期待が持てる地域だというふうに認識しております。 引き続き、機運醸成を図りながら、スタートアップ企業の集積を目指し、取り組んでまいります。 ○議長(坂本智徳君) 山下議員-11番。 ◆11番(山下博史君) ありがとうございます。確認をさせていただきました。佐世保県北地域、引き続き、よろしくお願い申し上げたいと思います。 次に、医療提供体制についてでございます。 先ほどの答弁で、IR認定整備に伴う医療需要の動向を見ながら、佐世保市とともに必要な医療提供体制の確保に努めるというご答弁でありましたけれども、IR開業まで約5年間あるわけであります。医療体制の確保に向けて、今からでもできることがあるのではないか、準備をしていけることがあるのではないかというふうに思いますが、そのあたりについて県の見解を求めます。 ○議長(坂本智徳君) 福祉保健部長。 ◎福祉保健部長(寺原朋裕君) IRの開業によって、周辺地域の医療体制がどのような影響を受けるのか見極めたうえで対応を検討する必要がございます。 県では、県内各地域に必要な医療提供体制を構築するため、医療計画を策定しており、来年度の計画見直しにおいては、関係部局と協議しながら、IR開業に伴う影響についても検討を行ってまいります。 また、開業までに求められる対策については、当該計画や状況の変化を踏まえ、必要に応じて関係機関にもご意見を伺いながら、取組を進めてまいります。 ○議長(坂本智徳君) 山下議員-11番。 ◆11番(山下博史君) ありがとうございました。 次に、文化芸術の振興ということで、なかなかハード面の整備については、財源もありますということで困難であるとの答弁でありましたけれども、佐世保県北地区としては、あきらめることなく、今後も要望を挙げていきたいというふうに思っております。 2025年に国民文化祭が、我が県で初開催されるということが決まっていると聞いております。長崎県全体で地域の特色ある文化芸術活動をいかに活性化させるか、これが観光振興やまちづくりにもつながるというふうに聞いております。 この国民文化祭を県と長崎市だけではなく、県北地域にも波及効果が及ぶように準備して取り組んでいただきたいと思いますが、ご見解のほどをよろしくお願いいたします。 ○議長(坂本智徳君) 文化観光国際部長。 ◎文化観光国際部長(前川謙介君) 国民文化祭及び全国障害者芸術・文化祭は、国内外からお見えになる多くの皆様に文化芸術を楽しみ、また、交流していただける絶好のチャンスと考えております。 現在、県北地域におきましては、ジャズやダンス、映画祭など、多彩なジャンルで熱心な活動が行われております。 こうした団体が活動の場を広げて、また、地域の取組を国民文化祭でもご披露いただくことで、県北地域をはじめ、県内に広く波及効果をもたらすように、市町や関係団体の皆様と一体となって積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 ○議長(坂本智徳君) 山下議員-11番。 ◆11番(山下博史君) 県北地域も、ぜひ漏れなく、よろしくお願い申し上げたいと思います。 準備した再質問は、以上でありますが、最後に、知事、「少年サンデー」という漫画雑誌に連載中の「第九の波濤」という漫画コミックをご存じでしょうか。(漫画雑誌掲示) 実は、これは、ちょっとあらすじを申し上げますと、SNS依存症ぎみの都会男子が、ひょんなことから長大の水産学部に入学して、もやしっ子で今どき男子だった長大水産学部生が、その水産学部でもまれて、少しずつ海の男の顔になっていくという海洋ロマンキャンパスストーリーであります。舞台はもちろん長崎です。地元の登場人物はもちろん長崎弁です。長崎の魅力を十二分に漫画の舞台で発信をしていただいています。 私も恥ずかしながら、東京の知人から言われるまで知りませんでした。この私の東京の知人は、この漫画を読むと長崎に行きたくなると、実際、家族で長崎に旅行に来てくれました。私も実は、1巻しかまだ読んでないんですけれども、知事をはじめ県庁職員の皆さん、ぜひ手に取っていただいて読んでいただければなと思います。ここで、知らなかった長崎の魅力とか、再発見できるかもしれません。 また、この「第九の波濤」は、今後、県政における長崎県の魅力発信とか、観光誘致の施策に何か役に立つかもしれません。これは生の声で私も聞いておりますので、ぜひご活用いただきたいということで、今日はご紹介をさせていただきました。 ちなみに、知事、これはご存じでしたか。ご存じじゃなかったですね。ぜひ手に取っていただければと思います。 最後になりましたけれども、この漫画を世に送り出していただきました諫早市出身の漫画家の草木道輝さんに感謝を申し上げて、質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。 ○議長(坂本智徳君) これより、しばらく休憩をいたします。 会議は、2時40分から再開いたします。     -午後2時24分 休憩------------------------------------     -午後2時40分 再開- ○議長(坂本智徳君) 会議を再開いたします。 引き続き、一般質問を行います。 下条議員-10番。 ◆10番(下条博文君) (拍手)〔登壇〕自由民主党、長崎市選出、県民皆様の想いをつなぐ下条博文でございます。 一般質問の機会をいただき、皆様に感謝申し上げます。 また、雨の中、お越しいただいた皆様にも感謝申し上げます。ありがとうございます。 質問通告に基づき、一問一答形式でご質問を行います。 1、県民の給与向上対策について。 (1)成長性の高い新産業分野。 農林水産省小売価格の「全国単純平均値の動き(令和4年4月)」によると、ロシアのウクライナ侵攻などの影響を受け、原材料の高騰は、消費者向けの小売商品や事業者向けの事業用商品に値上げの形で影響が及んでいます。 小売商品価格では、小麦や食用油、菜種油の上昇が特に目立っています。皆様にご配付している資料のとおりでございます。 また、この物価高は給与に反映されていないことも、内閣府調べに明記されております。 本県の給与水準については、厚生労働省が令和3年6月を対象とした賃金構造基本統計調査によると、本県は全国35位でした。 私は、給与水準の向上は、人口減少、社会減対策としても重要だと考えています。給与水準を向上させていくには、一次産業や観光・サービス業、製造業ほか、あらゆる産業が関連しますが、給与水準を牽引する新産業などの成長分野に絞ってお尋ねをいたします。 県として、成長性が見込める新産業分野を対象に、どのような産業を想定して、その施策を考えているのか、給与水準の向上に関する点も含めて、知事にお尋ねいたします。 以後、対面演壇席に移り、質問を行わせていただきます。 ○議長(坂本智徳君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) 〔登壇〕下条議員のご質問にお答えをいたします。 世界的なデジタル化の進展やカーボンニュートラルに向けた潮流の中、県では、付加価値の高い雇用創出を図るため、半導体関連や情報関連などの成長分野を中心に企業の誘致、育成を図っていくことが重要と考えております。 そのため、今回補正予算でご提案しているグリーン対応型企業成長促進事業において、半導体、航空機、ロボット、造船・プラント、医療の5分野で、県内中小企業の参入を促すため、企業間連携による事業拡大や関連技術の研究開発などの取組を支援することとしております。 また、情報関連や医療関連においては、長崎大学や県立大学の知見などを活かし、企業誘致を進めるとともに、誘致企業との協業による県内企業の技術力向上を図ることとしております。 今後とも、本県経済を取り巻く環境が大きく変革する中、県民の所得向上に資するよう、本県の優位性を活かした力強い産業の育成に全力を注いでまいります。 以後のご質問については、自席から答弁させていただきます。 ○議長(坂本智徳君) 下条議員-10番。 ◆10番(下条博文君) すみません、今回、なかなか時間がぎりぎりなもので焦ってしまいました。 知事、ありがとうございました。 本県では、国が示した新しい資本主義、グリーンデジタルなど、今、知事からご答弁があったようなものが、もう既に県内には根づいております。 給与水準を牽引していくような可能性のある新産業ですが、この新産業の分野に限り、私は、県の施策が、より具体性、また先進性に対して少しもの足らなさを感じております。加速度的に進化する時代の流れに応答し、本県の給与水準向上を目指し組織的に取り組むことを要望し、次の質問に移ります。 (2)情報系産業の振興。 本県では、県立大学情報システム学部120名と長崎大学情報データ科学部110名、合わせて年間に約230名の金の卵である情報系人材を輩出しています。 育成された専門人材は、今や国防の重要課題でもあるサイバーセキュリティや、様々な社会問題の解決に貢献するデータサイエンス等の知識を活かして付加価値の高い仕事ができるので、県内で就業していただき、起業してもらってもいいと思いますが、県民の給与水準の向上を引っ張ってもらいたいと願っております。 このような情報系専門人材の受け皿となる情報系産業の振興に向けた県の取組について、お尋ねいたします。
    ○議長(坂本智徳君) 産業労働部長。 ◎産業労働部長(松尾誠司君) 県では、オフィス系企業の誘致による雇用の創出を図るため、「金融バックオフィスセンター構想」のもと企業誘致に取り組んだ結果、大手情報系企業などの集積が一定進んできております。 この集積の効果を県内中小企業にも波及させるため、誘致企業との連携を促進しており、具体的には、医療関連分野や情報セキュリティ分野などのシステム開発等の受注により、県内企業の技術力向上が図られた事例も出てきております。 今後とも、企業誘致を進めるとともに、県内企業との連携を支援することにより、県内に情報系専門人材の受け皿を創出してまいります。 ○議長(坂本智徳君) 下条議員-10番。 ◆10番(下条博文君) ご答弁をいただきました。しっかり進んでおられるとは思いますが、やはり何かもの足らなさを感じます。 情報系産業は、最先端の分野になります。受け皿をつくっていくためには、少し斬新なアドバルーンを打ち上げることも重要ではないかというふうに思います。 例えば、時間の都合上、詳細な説明は省きますが、来るべきブロックチェーン実装時代に向け、再生可能エネルギーを用い、エネルギーの地産地消を原動力としたマイニング施設を経済特区で行うなどの具体的で先進的な取組などを県として掲げていただきたい。 もう既に県立大学や長崎大学にはこういった人材が根づいておりますし、また、高度な人材も、高度な関係人口という形で来られています。ぜひとも前向きに検討していただきたいと強く要望して、次の質問に移ります。 2、行政DX促進について。 (1)これまでのDXの取組と成果。 これまで定例県議会の一般質問などにおいて、県におけるデジタル化やDXに関してお尋ねしてきました。これまでの取組や成果について、お尋ねいたします。 ○議長(坂本智徳君) 企画部長。 ◎企画部長(浦真樹君) 県におきましては、「ながさきSociety5.0推進プラン」を昨年度策定いたしまして、これまで各種デジタル関連施策を展開してきております。 具体的には、全国で初めての事例となる県と全市町が一体となった「データ連携基盤」の構築、そのほかローカル5Gを活用した高度専門医療の提供体制の整備、農林水産分野におけるデジタル技術の導入、介護や高齢者見守りにおけるICTの活用、県立学校におけるGIGAスクールに対応できる教育環境の整備など、各分野において施策を推進してきているところであります。 しかしながら、行政における各種手続のオンライン化をはじめ、県内におけるデジタル化やDXの進捗については、まだ十分ではないと認識をしているところであります。 そのため、各分野におけます今後のデジタル関連施策の構築、推進に当たりましては、民間人材の専門的知見をいただくなど、さらなる充実、強化を図ってまいりたいと考えております。 ○議長(坂本智徳君) 下条議員-10番。 ◆10番(下条博文君) ただいまのご答弁で、DXについて十分ではないという認識を確認できました。 国が定める地方公共団体情報システムの標準化に対する法律において、2025年度の統一システム導入まで、あと約3年であり時間がありません。今のようなご対応で、本当に間に合うんでしょうか。 「自治体システム標準化法」は市町を中心とした取組ですが、その中で国は方向性を定めます。県は国と市町の中心に位置しており、そこには県の役割が必ずあると思います。 DXが進まない原因は何か、その原因に対して県はどのような取組を行おうとしているのか、お尋ねいたします。 ○議長(坂本智徳君) 企画部長。 ◎企画部長(浦真樹君) 行政システムの標準化につきましては、21の全市町におきまして、国の目標時期である令和7年度末までに完了する見込みとなっております。 ただ、現在、システムの標準化に向けては、各市町の業務に合わせた独自のシステムをこれまで構築していたことから、システム全般を見直す必要があること、また、小規模の市町におきましては、専任の職員を確保できず、また専門的知見を有する人材も不足していることなどから、現在、標準化の作業に時間を要しているものと考えております。 そのため県といたしましては、国の方針も踏まえながら標準化にかかる目指す姿の共有を図りますとともに、県情報戦略アドバイザーによる市町への助言や、標準化に向けた市町の枠を超えた横断的な連携促進、こういったことを進めましてシステムの標準化を今後促してまいりたいと考えております。 ○議長(坂本智徳君) 下条議員-10番。 ◆10番(下条博文君) 今ご答弁いただいたところですが、そもそも、こういったシステムの標準化を進めていくに当たって、市町の職員の皆さんを中心に、この行政DXというものに対しての理解は進んでいるんでしょうか。 ○議長(坂本智徳君) 企画部長。 ◎企画部長(浦真樹君) 市町の職員におかれましても少しずつ理解は深まってきていると思いますけれども、まだまだ十分ではないというふうに感じております。 そのため県では、デジタル担当の政策監、あるいは情報戦略のアドバイザーをこれまで市町へ派遣しながら、デジタル化あるいはDXに関するセミナーを実施するなど、首長や幹部職員も含めまして市町職員の意識醸成、あるいは理解を深めていただくということで取組を進めてきているところでございます。 ○議長(坂本智徳君) 下条議員-10番。 ◆10番(下条博文君) そもそも、こういったシステムの流れというのは、コロナ禍を経験し、思い切ってデジタル化を進めなければ日本を変えることができないという思いから、菅元総理がデジタル改革関連法案の意義を主張し、昨年9月1日、デジタル庁が発足したところからスタートしています。 今ご答弁いただいたような形で、DXの理解がまだ不十分であるということがわかりました。これは私も非常に強く同感しております。 話が若干、本筋からそれますが、今年度、長崎大学情報データ科学部の社会人向けIT講座を私も受講させていただいております。今日も、一般質問が終わった後に講義があるんですけれども、そこで小林 透先生の大規模プロジェクトマネージメントという講義があります。 「劇的ビフォーアフター」というテレビ番組なんですけれども、狭い家に住んでいたおばあちゃんが、リフォームの後にすごく嬉しくて涙を流します。これ、嬉しいという気持ちの中に、なぜ涙を流しているのかという講義だったんです。時間があれば、ぜひとも知事を含め皆さんにお聞きしたいところですけれども、時間がありませんので、答えを言いますと、おばあちゃん自身が、家をどうしてほしいのかというニーズ、自分がどうしたいかということがわかっていない。その思いを酌みとってくれて、うれしいから泣いているんだと、これが非常にこのプロジェクトの中では重要なんだということを、約2時間の講義の中で学ぶことができました。 話を戻しますが、行政DXは、先ほど平田副知事がお答えされていましたけれども、デジタルという新しい技術を使い、県民自身が理解をしていないニーズを酌みとり、組織体制や慣例など壁になっているものがあれば、それを突破していく力、いわば酌みとる力と突破していく力が非常に重要ではないかと思います。 デジタルは、あくまでツールです。目的の大半は県民の行政サービス向上、利便性の向上、そして、そこで大切なのはニーズを酌みとる力と突破していく力、覚悟とコミュニケーション能力と言い換えてもいいかもしれません。 知事の行政DXに対する覚悟を、ここでお聞かせください。 ○議長(坂本智徳君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) 先ほど、企画部長からの答弁にもあったんですけれど、私としてもやはり、限られた経営資源の中で、県民サービスの向上や生産性向上などによる新たな付加価値の創出に向けて、県内におけるDXについては、今後さらなる充実、強化を図ってまいりたいというふうに考えています。 そのため、庁内において知事や幹部職員で組織する「デジタルミーティング」を新たに設置し、デジタル化などに関する最新情報の共有などを図りながらDXを加速化させてまいりたいというふうに考えています。 また、各分野の事業構築においても、民間人材からの助言等も新たにいただきながら、産学金官の連携のもと、国の交付金制度なども活用して、「ながさきSociety5.0推進プラン」に基づく多様なデジタル関連施策を積極的に展開していきたいというふうに考えています。 ○議長(坂本智徳君) 下条議員-10番。 ◆10番(下条博文君) 私がお伝えをしたかったのは、デジタルというのは、プログラミングなんですけれども、先ほど総務部長からご答弁がありましたノーコードということもありました。どんどんスキルが、技術が上がっていって、この専門的な知識はあった方がもちろんいいんです。ある方が必要なんですが、やはり人間中心であってですね。どうも、こうやって皆さんといろんな形で接しさせていただくと、組織であったりとか、いろんな慣例や、もしかしたら法的なものであったり、そういったものが邪魔をしたり、壁をつくったり、そういったものがあります。 ぜひ、最年少で知事になられましたので、突破してですね。そして、突破しながらも、ぜひ皆さんとコンセンサスを得るようなコミュニケーションで合意形成を図って、とにかくスピードを上げてDXに取り組んでいただきたいと要望して、次の質問に移ります。 (2)EBPM(根拠ある政策立案)へ向けた取組。 行政DX、今、私がご説明させていただいたDXは、これが目的ではありません。整備をされた後に、様々な行政サービスが非常に利便性が高い状態でやりとりをさせていただきながら、その結果、副産物として膨大な量のビッグデータを入手できる可能性があります。 そのビッグデータをもとに、データサイエンスを用い、解析や分析を行って、様々な現象を正確に理解し、その理解度を基盤に政策をつくっていくEBPM(エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキング)、根拠ある政策立案の必要性について、県の認識をお尋ねいたします。 ○議長(坂本智徳君) 企画部長。 ◎企画部長(浦真樹君) より実効性の高い施策を構築していくうえで、各種データの分析結果に基づくEBPMは、今お話がございましたように、私どもとしましても、大変重要な取組だというふうに考えております。 そのため、本年度から本格運用を開始しておりますデータ連携基盤の有効活用、あるいはデジタル化を念頭に置きながら、新たな事業構築によるデータの取得を図っていく、さらには民間の有する多様なデータの活用を積極的に進める、そういったことをやりまして、県におけるEBPMをこれからさらに推進してまいりたいというふうに考えております。 ○議長(坂本智徳君) 下条議員-10番。 ◆10番(下条博文君) 今ご答弁をいただいたようなことを、いわゆる実装をしていくためには、行政も含めた社会のデジタル化の中でビッグデータの利活用に向けて、今の段階から、その情報をどのように入手して、どのように利活用していくのか、設計をする必要があると思うんです。これはデジタルの分野でアーキテクチャーといいます。 「マトリックス」という映画の中で、「マトリックス2」で白髪のおじいちゃんが出てくるんです、最後の方で、これがアーキテクチャーです。すみません、全然わからずに、申し訳ございません。(笑声) すみません、もう一回戻しますと、県の果たす役割が何なのか、お尋ねをいたします。 ○議長(坂本智徳君) 企画部長。 ◎企画部長(浦真樹君) 今、アーキテクチャーというお話がございましたけれども、行政システムの標準化をはじめとした、デジタルにかかる、いわゆる横のつながり、連携の仕組み、こういったものを、アーキテクチャーを統一していくということが重要であるというふうに考えております。 そのため県におきましては、県全体におけるデータ利活用の推進に際しまして、広い知見を有する民間の人材を「デジタル戦略補佐監」として登用いたしまして、アーキテクチャーの統一をはじめとしたデータ利活用に必要となる最新のデジタル関連情報を提供いただきますとともに、それらを県内にも広く周知することで、ビッグデータの利活用を促進してまいりたいというふうに考えております。 ○議長(坂本智徳君) 下条議員-10番。 ◆10番(下条博文君) ちなみに、今、企画部長がご答弁いただいた内容ですが、この具体的なスケジュールというか、そういうものをお示しできますか。 ○議長(坂本智徳君) 企画部長。 ◎企画部長(浦真樹君) 基本的には、現在進めております「ながさきSociety5.0推進プラン」、こちらの推進期間が令和7年度までということで今、取組を進めておりますので、そちらのプランの推進期間が基本的にはスケジュールとしてはまず出てくるものと考えております。 ○議長(坂本智徳君) 下条議員-10番。 ◆10番(下条博文君) なぜ、この具体的なスケジュールを聞いたかというと、先ほど私が何らかの壁という表現をしました。この一つにスピードというものがあると私は思います。このデジタル化のスピードは本当に早いので、先ほども答弁がありましたけれども、本当に異次元のスピードになっております。 ただ、このスピードについていくために導入するには、やはりリスクマネージメントというものがあります。行政の皆さんは本当にしっかりした仕事をされていますが、このリスクマネージメントというものと導入をするスピードのバランス、ここの部分で、私は非常に重たいものを感じているんです。 ですから、先ほど私は、県や市町のコンセンサスを得ましょうという話をしました。これはもう一つ、県民の皆さんにもぜひ、コンセンサスをとってください。スピードを上げて、県民の皆さんの生活向上、水準を、利便性を上げるから、ちょっとの間、もしかしたらエラーが出るかもしれない、だけれども、こういう計画をもって導入してやっていくんだと、こういうことが私は必要ではないかなというふうに感じております。 デジタル社会において、一年は産業革命以前の100年に相当するんじゃないかというような声も聞いております。迅速を超えた超迅速な対応をとっていただきたいと要望して、次の質問に移ります。 3、県立大学「情報セキュリティ産学共同研究センター」の充実について。 (1)耐量子暗号。 県立大学では、昨年6月から情報セキュリティ産学共同研究センターの建設に着手し、来年4月には併用開始の予定と聞いています。 サイバーセキュリティ分野を取り巻く環境も急速に変化しており、特に、次世代のコンピューターとして世界各国が開発にしのぎを削っている量子コンピューターによって、現在のインターネットなどで広く活用されている暗号技術が破られるのではないかと報道されています。 今、私がお話をしている量子コンピューターは、皆様にお配りをしている2枚目、3枚目のところに基本的なものを書いております。(資料掲示) 時間の都合上、この量子コンピューターについての説明は割愛をしますが、アメリカ政府は、量子コンピューターでも解読できない新たな暗号技術、耐量子暗号の検討を進めており、2024年にはその標準規格を決定する計画で、2031年以降は現在の暗号技術を使わないよう、既に関係各機関に呼びかけております。これはどういうことかというと、量子コンピューターが暗号技術の分野において、ものすごく脅威であるということのあらわれなんです。 量子技術の影響が情報セキュリティ分野にも広がっていく中、県立大学においても量子コンピューターへの対応を研究していく必要があると考えますが、量子コンピューター導入も含めて、県の見解をお尋ねいたします。 ○議長(坂本智徳君) 総務部長。 ◎総務部長(大田圭君) 議員ご指摘のとおり、現在の暗号技術は、高性能の量子コンピューターが開発されますと短時間で解読されてしまうことが明らかとなっております。 こうした課題への対応につきまして、県立大学におきましては、量子コンピューターでも解読できない、ご紹介がありました耐量子暗号を研究対象としている教員を中心といたしまして、調査・研究を継続して進めていくこととしています。 また、大学からは、量子コンピューターによる暗号解読のアルゴリズムは既に理論上解明されているほか、耐量子暗号につきましては理論上の研究で足りまして、必ずしも量子コンピューターを必要としないということをお伺いしております。 しかしながら、国全体の動きといたしまして、先般策定をされております「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」がございますが、こちらにおきまして量子技術の取組を進めることとなされております。その重要性が高まっているという状況だと認識をしておりますので、量子技術に関しまして、どのようなことができるか、大学と協議をしてまいりたいというふうに考えております。 ○議長(坂本智徳君) 下条議員-10番。 ◆10番(下条博文君) 今、私は量子コンピューターの導入、一例を提案をいたしましたが、情報セキュリティ産学共同研究センター、これはみんな期待をしているわけです。この共同研究センターが卓越した研究結果を創出していくためには、常に新しいソフト・ハード面のアップデート、バージョンアップが必要だと考えます。 もし、コスト面であったりとか、現在、実際にこの量子コンピューターがどのような扱われ方をするのかというのも限定的にしか確定をしておりませんが、仮に早い段階で少しお買い求めやすい金額になったとして、量子コンピューター導入が決まった場合には、実質的な研究力向上だけでなく、国内外に対するPR、周知活動も大変大きいものと考えます。ぜひとも、この新しい技術、ソフト・ハード面、アップデート、バージョンアップ、これを考えて、また、そこに資するすばらしい研究機関ですので、検討をしていただきたいというふうに思います。 (2)情報セキュリティ学科の名称変更。 情報セキュリティ学科を設置した当時は、サイバーセキュリティという表現が一般的ではなかったため、情報セキュリティ学科という名称にしたものと理解しています。 現在は、既に「サイバーセキュリティ基本法」が制定されるなど法律的にも定義され、一般的な表現として使用されており、同学科の教育・研究内容がサイバーセキュリティ分野そのものであるため、学科名をサイバーセキュリティ学科に変更すべきと考えますが、県の考えはいかがでしょうか。 ○議長(坂本智徳君) 総務部長。 ◎総務部長(大田圭君) 現在の情報セキュリティ学科の研究・教育内容が、サイバーセキュリティという名称で適切に表現できるかといった観点がございます。 お聞きをしておりますと、情報セキュリティの方が、より広い概念だという中におきまして、サイバーセキュリティに限定することなく、その周辺部分の研究も行っていくとお聞きをしております。 また、そういった観点からも含めまして、学科の名称につきましては、学生募集の際にも大きく影響を及ぼすということもございますので、そういったことを考慮しながら総合的に検討していきたいというふうに考えております。 今回、県議会で議論をいただいているこの内容につきましては、大学法人にもお伝えしていきたいというふうに考えております。 ○議長(坂本智徳君) 下条議員-10番。 ◆10番(下条博文君) 今ご答弁いただきましたとおり、学術的には情報セキュリティという名称があるかもしれませんが、直訳すると「インフォメーション・セキュリティ」となるんです。これはあまり一般的ではないんですよ。一般的なのはサイバーセキュリティで、もうサイバーとセキュリティがくっついているんです。サイバーセキュリティという一つの単語になっております。 もう、どこの学会や、またいろんな経営の勉強会に行っても、情報セキュリティというよりもサイバーセキュリティが一般的ですので、ぜひとも、これは逆に周知活動の効果が上がると私は思いますので、ぜひ検討をしてください。 次に、情報セキュリティ学科の今後の展開について質問します。 県立大学の情報セキュリティ学科と情報セキュリティ産学共同研究センターが、今後、本県に新たな産業を集積していく起爆剤になることを大変期待しております。 既に同学科は、長崎県警とサイバーセキュリティに関する総合協力協定を結び、県内外の民間企業とともに産学官が連携してサイバーセキュリティに関する取組を進めています。 こうした取組は一定評価しますが、サイバーセキュリティの最先端の分野は他国からのサイバー攻撃に対する防衛分野であることから、全国で初めて情報セキュリティ学科を設置した県立大学が、率先して開発研究に取り組むべきと考えます。 今後、大変大きなマーケットとして成長が見込まれるサイバーセキュリティの分野を産業として本県に集積させていくためには、防衛省や自衛隊と連携し、サイバーセキュリティの共同研究などに取り組み、最先端の研究結果を創出していくことで、県立大学がサイバーセキュリティ研究の一大拠点となることを目指していく必要があると考えますが、県の見解をお尋ねいたします。 ○議長(坂本智徳君) 総務部長。 ◎総務部長(大田圭君) 現時点におきましては、防衛分野のサイバーセキュリティに関しまして、一般的に情報が開示されていないという状況がございます。そういった観点から大学からは、研究ニーズの把握が難しく、研究対象とするのは困難だということをお聞きしております。 ただ、一方で、先ほどもご紹介いたしました、国が公表いたしました「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」、この中には、サイバー攻撃への対策強化が盛り込まれています。様々な取組を進めていくことが想定されてまいりますので、こうした国の動向を注視しながら、大学として何ができるか、協議をしていく必要があるというふうに考えております。 また、情報セキュリティ学科を設置して以来、他大学に先んじまして専門分野の実務家教員を招聘いたしまして、研究・教育に取り組んできた結果といたしまして、学会などにおけます県立大学の存在感は高まっているというふうにお聞きをしております。 こうしたことに加えまして、議員からもご紹介いただいておりますセキュリティの産学共同研究センターにおきまして、さらに多くの民間企業との共同研究に取り組みまして、着実に研究成果を積み重ねることで、県立大学のさらなる認知度向上につながり、ひいては本県の産業振興にも結びついていくものというふうに考えております。 ○議長(坂本智徳君) 下条議員-10番。 ◆10番(下条博文君) なぜ、このようなご質問をしたかというと、今年3月に、自衛隊の中に電子隊部隊というものが編成されました。詳細は、総務部長がおっしゃったように、なかなか機密性が高く明かされておりませんが、主に電波、そしてサイバーをつかさどる部隊というふうに聞いております。 長崎県では、既に佐世保市の相浦基地に配備され、来年度には、議長の出身地である対馬にも配備予定というふうに聞いております。 政府の見解にも明記されていますが、サイバーセキュリティ人材は決定的に足りません。足りておりません。ぜひとも、国や防衛省と連携をして、取組を進めていただきたいというふうに思います。 4、教育の考える力について。 (1)新学習指導要領の実施。 平成30年3月に新たに告示された「学習指導要領」に基づく指導が、この4月から高等学校で実施されるようになりました。 本県の高等学校においては、どのような方針のもと教育実践が行われているのか、お尋ねいたします。 ○議長(坂本智徳君) 教育委員会教育長。 ◎教育委員会教育長(中崎謙司君) 県立高校におきましては、生徒が変化の激しい時代に対応しつつ、未来の社会を創造できますよう、従来の知識や技能に重点を置いた学びに加えまして、自ら課題を見つけ、解決に向けて取り組む探究的な学びの導入に努めているところであります。 具体的には、これまでのような教員主導の学習だけではなく、一人一台端末も活用しながら、生徒自身が自分の関心に基づいて主体的に学んだり、生徒同士が議論を交わして学びを深めたりすることができるよう、また、時に教員がサポート役となって、生徒の意欲や能力を高める授業に取り組んでまいります。 ○議長(坂本智徳君) 下条議員-10番。 ◆10番(下条博文君) もう一つ質問を続けます。 (2)文理探究科の設置。 昨年6月に公表された「長崎県立高等学校教育改革第9次実施計画」において、令和5年度から、長崎北陽台高校、佐世保南高校、島原高校、大村高校及び猶興館高校に「文理探究科」が設置されます。 今後の長崎県を担う人材を輩出する学科になると非常に注目しておりますが、どのような狙いで設置され、どのような人材を育成しようとしているのか、お尋ねいたします。 ○議長(坂本智徳君) 教育委員会教育長。 ◎教育委員会教育長(中崎謙司君) 今ご紹介いただきました、来年度より県立高校5校に設置します文理探究科、これはキャッチコピーを挙げておりまして、「ふみだせ!正解のない世界へ~新しい大学進学アプローチ「普通科+α~」」としております。 この学科は、自らが設定した課題の解決に向けまして、ディスカッションやプレゼンテーションを通しまして、実社会での問題解決力を養うための学びが大きな特色となっております。 近年の大学入試は、学力検査だけでなく、高校時代に取り組みました課題研究の内容や実績などを総合的に評価するようになってきておりますので、文理探究科におきましては、これら多様な入試制度に幅広く対応できる学科としまして、今後、文系や理系の枠にとらわれない探究的な教育を実践しまして、それぞれの高い進路目標の実現につなげることで、ふるさと長崎や世界の未来を拓くリーダーを育成してまいりたいと考えております。 ○議長(坂本智徳君) 下条議員-10番。 ◆10番(下条博文君) これは私の見解ですけれども、情報の処理能力が求められている時代があったと思います。もちろん、それは今でも重要な能力だと思います。しかしながら、今は正解なき様々な社会的課題に取り組んで、何とかそれを解決していくということ、考える力が問われる時代がきたのではないかと思います。 ご答弁いただいた考える力の充実に大変期待しておりますので、よろしくお願いいたします。 5、障がい者支援について。 特別支援学校に通学する医療的ケア児のスクールバス利用について、お尋ねをいたします。 医療的ケア児が特別支援学校に通学する方法として、スクールバスと自家用車によるものがあると理解をしています。医療的ケア児の保護者より、送迎について困難な状況など様々な厳しい状況について、お聞きをしております。 特別支援学校に通学する医療的ケア児のスクールバス利用について、県としてどのように考えているのか、お尋ねいたします。 ○議長(坂本智徳君) 教育委員会教育長。 ◎教育委員会教育長(中崎謙司君) 特別支援学校に通学します医療的ケア児のスクールバス利用につきましては、乗車中のケアの必要性に応じて利用できるかどうかの判断をしております。 乗車中のケアが必要になると想定される場合には、動いている車内でのケア実施の危険性、また緊急時の停車場所の確保の困難さなどから、これは県の専門家会議の指摘も踏まえまして、原則として利用できないということを保護者の皆様にはご説明させていただいております。 なお、スクールバスに乗れずに自家用車で通学する方に対しましては、国や県から通学費の補助による支援を行っているところでございます。 ○議長(坂本智徳君) 下条議員-10番。 ◆10番(下条博文君) 今ご答弁ありました厳しい現状、私も実際に保護者の皆さんと研究を重ねていく中で、私も、かなり厳しいということはよくわかっております。 ここで、要望というか訴えですけれども、日々の送迎をしている保護者の皆さん、大変大きな負担になっております。何かしらの対策と対応と、それから医療的ケア児の教育を受ける機会が喪失されることがないような何かしらの支援について、研究をしていただきたいというふうに要望いたします。よろしくお願いいたします。 6、災害及び危機管理対策について。 (1)避難所の空調整備。 全国的にもいち早く、市内全ての小・中学校20校に、避難所の整備として空調設備を設置した大阪府箕面市市役所を訪問し、設置学校を見せていただきました。 箕面市の市長の率先した取組、国の支援制度との連携、災害対策に実際に役立っている現状、空調設備と送風設備を組み合わせ、断熱材を入れなくても十分冷却できる工夫、ランニングコストも想定より負担ではないこと、全国から視察に訪れられていることをお聞きしたんですけれども、ポイントは、工夫次第で断熱材等のイニシャルコストを抑えながら、この設備を運営することができるということを実際に見てきました。これは非常に大きなポイントです。 また、この空調設備を実施した箕面市が、翌年に台風、大雨の被害にたまたま遭われています。その時に、電力はダウンしたものの乗り越えることができた、これは大変大きな経験だったということを、実際に経験をされた職員の皆様からお聞きすることができました。 こういった2点を鑑みても、避難所の空調設備導入ついて十分検討すべきであると考えますが、県の見解をお尋ねいたします。 ○議長(坂本智徳君) 危機管理監。 ◎危機管理監(多田浩之君) 避難所として使用する体育館の空調設備について、市町に確認したところ、376施設のうち2施設が整備済みで、今後の整備予定については、検討中という市町が一部あるものの、大部分は整備予定なしという回答でございました。 整備にかかる課題といたしまして、体育館の使用頻度を踏まえたイニシャルコストとランニングコストの問題や、構造上の断熱化の問題などが挙げられており、導入を進めるには、本来の教育上の用途を含めた費用対効果の向上が必要と思われます。 避難所の指定や運営管理につきましては、災害対策基本法及び地域防災計画におきまして市町の役割であることから、現在、各市町においては、空調が整備された教室の使用及びスポットクーラーの活用など、避難所の生活環境が良好なものとなるように努められており、体育館の設備については、それぞれの市町の方針に基づいて整備がなされるべきものと考えております。 県といたしましては、避難所の感染症対策で国費の活用が可能な場合など、資機材面での支援、協力に努めてまいります。 ○議長(坂本智徳君) 下条議員-10番。 ◆10番(下条博文君) そうですね、最後に国費のということがありました。この箕面市も国の支援制度を、この箕面市の倉田市長は、もともと総務省のご出身で、非常に国と連携を取っていたということを聞いております。ぜひとも国と連携を取って。 特に、私がお訴えをしたいのは、電力はすばらしい原動力になります。しかし、非常に依存が強くて、一旦ダウンすると全部止まってしまうということなんです。 今、私が皆さんにご提案をしているのはLPガスを用いた空調設備の設置です。こういった、1か所でもLPガスで原動力を確保していくということは、非常に危機管理対策にとって大切な観点ではないかというふうに考えますので、ぜひとも国と連携をして、導入に対して前向きに取り組んでいただきたいということを要望して、次の質問に移ります。 (2)弾道ミサイルに対する避難訓練と避難所の整備(国民保護の取組み)。 ①本県の国民保護の取り組み。 ロシアのウクライナ侵攻、北朝鮮によるミサイル発射など、我が国を取り巻く安全保障環境が厳しさを増している中、本県の国民保護の取組はどのようになっているのか、お尋ねいたします。 ○議長(坂本智徳君) 危機管理監。 ◎危機管理監(多田浩之君) 県といたしましては、県民の安全で幸福な生活と自由で平和な社会が維持されることを念願しており、国において諸外国との友好に努め、一層の外交努力が払われることが重要と考えております。 しかしながら、万一、武力攻撃事態等に至った場合には、国民保護計画に基づき、国の対処方針に沿って警報や避難措置の指示等の情報伝達、県の区域を超えた住民避難を要する場合の他県との調整、離島から本土へ避難する場合の手段の確保などを実施し、住民の生命、身体及び財産の保護に取り組んでいくこととなります。 このような国民保護に係る対処能力の向上を図るため、本年度、島原市において、消防庁と共同で、警察、消防、海上保安庁、自衛隊、民間等の各関係機関が参加する住民避難に軸足を置いた実動訓練を実施し、各関係機関との連携を強化するとともに、住民避難要領を具体化していくこととしております。 ○議長(坂本智徳君) 下条議員-10番。 ◆10番(下条博文君) ②避難施設など弾道ミサイル攻撃への対応。 特に、今年に入って北朝鮮による弾道ミサイルが高い頻度で発射されていますが、爆風等から直接の被害を軽減する避難施設など、弾道ミサイル攻撃への避難施設の対応はどうなっているでしょうか。 ○議長(坂本智徳君) 危機管理監。 ◎危機管理監(多田浩之君) 弾道ミサイル攻撃については、短時間での着弾が予想されることから、爆風等からの直接の被害軽減に有効なコンクリート造り等の堅牢な建築物を、緊急一時避難施設として指定を推進し、落下時の行動について、住民への周知や着弾後の安全な地域への避難指示などが必要となります。 今般、国において、今後5年間を集中的な取組期間として緊急一時避難施設の指定を進めていく方針が示されたところであり、本県におきましても、市町と連携しながら、人口に対するカバー率の低い市町の指定を推進してまいります。 また、本年度、島原市で、先ほどお答えした緊急対処事態を想定した実働訓練を実施する予定であるほか、弾道ミサイルを想定した訓練についても、消防庁と共同で図上訓練を実施する予定であり、併せて弾道ミサイルを想定した住民避難パターンのさらなる充実も図ってまいります。 ○議長(坂本智徳君) 下条議員-10番。 ◆10番(下条博文君) ご答弁いただきました。 頑丈な建物への避難については、これは長崎県の現状を見ても一定理解はできます。 しかし、皆様にお渡ししています資料の最後のページですが、内閣官房の国民保護ポータルサイトというものがあります。こういったチラシです。(資料掲示)こういうふうな対応をしてくださいということが載っているんですけれども、ここに本県のこういった弾道ミサイル時の避難所について、一覧が載っております。これを確認しましたところ、学校などの避難施設が多かったです。 ロシアのウクライナ侵攻の報道を見ていても、学校などは逆に爆撃のターゲットとなっているのではないでしょうか。トイレ、電気など最低限の生活インフラを整備した地下の避難所やシェルターなど検討する必要性はないのか、再度お尋ねいたします。 ○議長(坂本智徳君) 危機管理監。 ◎危機管理監(多田浩之君) 弾道ミサイル等武力攻撃事態につきまして、生活インフラが整備された地下シェルターが望ましいとは思われますが、地下街や地下駅舎がない本県におきまして、地下施設の確保には課題が多いということも事実でございます。可能な限り、建築物の地下のフロアであるとか地下駐車場、こういったところの指定を増やすように努めてまいりたいとは考えておりますけれども、国とも相談しながら、本県の実情に応じて、コンクリート造りの堅牢な建築物等の指定と併せて指定の検討を進めてまいりたいと考えております。 ○議長(坂本智徳君) 下条議員-10番。 ◆10番(下条博文君) そうですよね。私も少し研究してみましたけれども、やはり県単独でやっていこうということはなかなか難しい状況、地下施設、設備がないというところを考えてもそこはわかるんですけれども、国などとも連携をしてやっていただきたいんですが、この議論自体、これは有事の状況では絶対にできないと思います。平時である今、議論、検討すべきではないでしょうか。議論を含め、準備をしていけばよかったと後悔があっては絶対になりません。国と連携し、協議し、準備を行っていただきたいと強く訴えて、次の質問に移ります。 7、県庁舎跡地活用について。 (1)情報発信機能。 今般、広場、情報発信、交流支援の3つの機能を柱に、賑わいと交流による新たな価値を創造する県庁舎跡地整備の基本構想案が示されました。 この地の歴史を十分に体感していただきたいのですが、あまりに重層的な歴史があるがゆえに、例えば、建物を復元するなどにしても特定の時代を再現することは非常に難しいと思います。 しかし、VR、いわゆるバーチャルリアリティリーの技術を活用すれば、コンテンツを入れ替えるだけで、あらゆる時代の一場面をフレキシブルに再現することが可能となります。 さらには、通常VRというものを体験するには、プレイステーションとかでも、こういうふうにヘッドセットというものを着用します。これは個人差がありますが、私は、このヘッドセットを着けると必ず酔った状況になります。具合が悪くなるんですよね。なる方とならない方があるというふうに言われていますが。 このヘッドセットの着用が一般的ですけれども、技術は日々進化し、最近では、何も装着せずとも、例えば360度フルスクリーン、高解像度のモニターを用いたVRなどの新技術も開発されており、様々な事情からヘッドセットの装着に消極的だった方々にも、近い将来、安心してVRを体験いただける環境が整ってくるのではないかと考えています。 より多くの皆様に、この地の歴史や県内各地の魅力を体感していただくための情報発信機能として、最先端のVR技術を導入することが効果的ではないかと考えておりますが、県の見解をお尋ねいたします。 ○議長(坂本智徳君) 地域振興部長。 ◎地域振興部長(早稲田智仁君) VR(バーチャルリアリティ)などの先端技術を用いた情報発信については、県庁舎跡地の歴史の変遷や世界遺産、県内各地の自然、文化など、本県の魅力を体感していただける有効な手法の一つではないかと考えております。 また、訪れた方々に安心して先端技術に触れていただくためには、利用者へのご負担を少なくするとともに、利便性を高め、気軽に体験していただける環境整備にも留意する必要があります。 そのため、今後、VRを含めて、先端技術を活用した情報発信についての研究を深め、県庁舎跡地における利活用を検討してまいりたいと考えております。 ○議長(坂本智徳君) 下条議員-10番。 ◆10番(下条博文君) 最先端のVR技術は、私もこの前、東京の方に行って、各地で見せてもらいました。本当にコロナ禍で、ようやくいろんな地方に視察に行けるようになったなという思いと、それから、ここまでVRが進んでいるのかということを体験をしました。 一例を申し上げますと、全てスクリーンなんですよ。恐竜が卵を産みます。そこに3人の人間がいて、このうちの誰かを、生まれた小さな恐竜がお母さんと思います。これはAIで入れています。たまたまそれが私だったんです。3人の中で私でした。ついてくるわけです。そして、私が止まると必ず上を見る、私の顔を見上げます。プログラムが設定されていて、親のティラノサウルスが迎えに来て、走っていくんです。 その時にどのような感情になったかというと、「ああ、この子のためを考えたら、お母さんの方がいいよね」ということを、これは本当なんですよ。そういう没入感というのは、うそとわかっていても、一時悲しいんですよね、というような感覚を受ける、新しい体験を体感させていただきました。 このようなVRは、重層的な歴史を持っている長崎においては、非常にコンテンツとしてやりやすいですし、たくさんの歴史がある本県だからこそ積極的に取り入れていただきたいというふうに思います。 県庁舎跡地は、賑わいの創出や新たな価値の創造というもの、かけておりますこのようなヘッドセット着用なしの新たなVR導入についても、ぜひとも検討していただきたいというふうに思います。 (2)周知・広報活動。 県庁舎跡地に賑わいや交流を生み出していくためには、効果的な周知・広報活動が重要なものになると考えています。 例えば、跡地に導入する最先端技術の一部を、跡地で導入する前に県内各地のイベントなどで試験的に体験してもらう、体験いただいた方にSNSの情報で発信を促し拡散を図っていくなど、自身の体験に基づく発信、これは周囲を動かしていく大きな力があります。 今のお話はあくまでも一例ですが、多くの県民の皆さんに跡地への関心を高めていただくために、この跡地だけに集約したものではなくて、広く広報活動に取り組んでいただきたいと考えておりますが、県の見解をお尋ねいたします。 ○議長(坂本智徳君) 地域振興部長。 ◎地域振興部長(早稲田智仁君) 多くの県民、市民の皆様や観光客の皆様に県庁舎跡地へ訪れていただくためには、各機能の充実を図るとともに、情報をお届けしたい対象者を意識した効果的な情報発信を行う必要があるものと考えております。 特に、若い世代の方々については、SNSなどを活用し、工夫した情報発信を行うことが大切であります。 そのため、今後、暫定供用時に実施する賑わいづくりのイベント等において、SNSなどを活用した情報発信にも取り組み、その検証に努めながら、効果的な周知・広報について検討を深めてまいりたいと考えております。 ○議長(坂本智徳君) 下条議員-10番。 ◆10番(下条博文君) ぜひ、そのように取り組んでいただきたいと思います。 先ほど恐竜の話をしましたが、もう一つ、これは体感はできなかったんですが、資料を見せてもらったことを皆さんにお伝えしたいと思います。 これはモビリティ、動くものですね、モビリティとVRの融合です。例えば、電車の窓にVRの、先ほど私が言った高解像度のモニターを貼ります。そして、走っている風景が、例えば江戸時代になったり、明治になったり、昭和初期になったりと変わっていく。 これは人間がどのような感覚を受けるかといいますと、動いていますので、本当にその時代にタイムスリップをしたような感覚です。映画の4DXと呼ばれるものに近い感覚がありました。 話をいろいろ聞いてみますと、そこまで費用が高いというわけではありませんでしたので、これは一例ですけれども、このようなモビリティとVRの融合、県庁舎跡地が今からオープンしますよということを、キャンペーンとして、電車であったりバスであったり、それはまだわかりませんが、そういった公共の乗り物に今のようなイベントを行っていくとか、そしてこれをSNSで発信してくださいとやっていく、これは非常に期待値が高まる動きになるというふうに思います。 様々な可能性とわくわくするような企画の実施を要望して、次の質問に移ります。 8、長崎駅周辺での県産品の情報発信拠点について。 県内では長崎駅の再開発が進み、多くの人が集まってくることが見込まれ、情報発信としては長崎駅前は非常に魅力的な場となっています。 複数の県内生産者の声を聞いたところ、駅前の再開発が進む中で、駅前商業施設への出店はぜひとも計画したいところだが、零細事業単独ではハードル、経費ですね、ハードルが高いため、テナントとして入居することは困難だという声を幾つもお聞きしました。 県内、特に、長崎駅周辺での県産品情報発信拠点について、県はどのように考えているのか、お尋ねいたします。 ○議長(坂本智徳君) 文化観光国際部長。 ◎文化観光国際部長(前川謙介君) 現在、長崎駅周辺におきましては、県産品の販売、あるいは情報発信の場といたしまして、一般社団法人長崎県物産振興協会が運営しております「長崎県物産館」が設置されております。 また、本年3月、駅構内には、JR九州グループが運営いたします「かもめ市場」が開業いたしております。 物産館が入居をしております交通産業ビルにつきましては、今後、周辺を含めた再整備が検討されておりまして、こうした変化を捉えて、県物産振興協会が主体となって、規模や機能、または費用負担も含めまして、物産館の方向性について検討していくこととなります。 県といたしましても、県物産振興協会の検討を促し、また協力しながら、その検討を後押ししてまいりたいと考えております。 ○議長(坂本智徳君) 下条議員-10番。 ◆10番(下条博文君) 日本橋の物産館、あれはアンテナショップとして、私も何度か行かせていただきましたが、非常に評価が高い。やはりああいう県産品を手に取って触れるような販売チャンネルということは、非常に生産者のためになると思います。非常に重要だと思います。 ご答弁ありましたとおり、県物産振興協会の皆様と連携をし、生産者の利益につながる取組を行っていただけるように要望いたします。 9、鷹島水中遺跡について。 平成23年10月に鷹島で元寇1号が発見され、その後も、国内で初めて国史跡に指定された「鷹島神崎遺跡」、「元寇2号船」も発見されております。 地元松浦市も大いに盛り上がっておりますが、鷹島水中遺跡に対し、これまで国にどのように働きかけをし、県としてどのように対応してきたのか、お尋ねいたします。 ○議長(坂本智徳君) 教育委員会教育長。 ◎教育委員会教育長(中崎謙司君) 県では、現地鷹島に調査研究施設を設置することなどを、平成24年から政府施策要望として、また平成27年からは重点項目に位置づけて国に要望しております。 昨年度からは、全国の大学生等を対象とした水中考古学の体験講座を開催するなど、鷹島水中遺跡の知名度向上に向けて取り組んでいるところでございます。 ○議長(坂本智徳君) 下条議員-10番。 ◆10番(下条博文君) ご答弁ありがとうございました。今後は、今おっしゃった政府施策要望に加え、地元松浦の熱い思いを盛り上げていくために、県の様々な取組ですね。ぜひ知事、教育委員会教育長、ぜひ一度、地元の鷹島を見に来ていただいて、鷹島が今どのような形でやっているのか、そして様々な国に対する働きかけ、これもぜひとも体を動かして、実際に、コロナ禍を鑑みながら、国の方にも働きかけをしていただきたいと強く要望して、最後の質問に移ります。 10、猫殺処分ゼロに向けた取組みについて。 私自身、保護猫を7匹飼育しており、10数頭を譲渡した経験もあり、現在も保護猫、地域猫活動に取り組んでおります。 知事の公約にも動物の殺処分ゼロが掲げられました。 様々なこういったボランティアであったり、地域猫活動の皆さんとコミュニケーションをとる中で、地域猫活動を成功させるポイントとして4点、1、餌をあげる、餌だけではなくて、2、トイレの管理も行う、3、不妊・去勢手術を行う、4、ボランティアらが行政の皆さんと連携をする、この4つが非常に重要であるとお聞きしました。この4つのポイントを浸透させていくために、地域猫に関するセミナーの開催が不可欠ということでした。 私、先日、長崎市の動物愛護センターに伺い、所長と意見交換を行いました。 この時に、収容される、運ばれてくる猫たちは様々ですので、今から私が言う数字はあくまで概算になりますが、例えば100匹の猫が収容されたとします。この猫たちは、もうほとんどが子猫です。そして、その20%ぐらいが譲渡会に渡していけるような飼育が可能だと思われる猫たちです。残りの80%の中で、重いけがや病気の猫たちはちょっと厳しいということでした。 しかし、その中に数10%、何とか手をかければ譲渡会までつなげられるぞという猫がいます。これはどういう猫かといいますと、人間が関与をしなければ死んでしまうような小さな猫たちです。この猫たちを何とか、管理センターのスタッフの皆さんは人員がなかなか限界がありますので、これをミルクボランティアと呼ばれる方たちと連携をして取り組んでいくと、殺処分の劇的な変化が考えられるんじゃないかというふうに思います。 このような手法を取り入れ、ボランティアとも協働しながら、殺処分ゼロを目指すための県の取組について、お尋ねいたします。 ○議長(坂本智徳君) 県民生活環境部長。 ◎県民生活環境部長(貞方学君) これまで動物の殺処分の減少を図るために、野良猫などを地域で飼養管理する地域猫活動を行うボランティアに対し、猫の不妊・去勢手術費用を助成し、年々殺処分数を減少させてきたところでございますが、依然として殺処分数は全国でも多い状況でございます。 このため、殺処分ゼロの実現に向け、最終的な目標年度を定め、どのような取組を、どのような時期に実施するかを明らかにしたロードマップを作成していきたいと考えております。 具体的な取組内容は現在検討している最中でございますけれども、収容数の削減、収容動物の譲渡促進、市町や県民、ボランティア団体等との連携強化を図ることで、できるだけ早期の殺処分ゼロを目指してまいりたいと考えております。 ○議長(坂本智徳君) 下条議員-10番。 ◆10番(下条博文君) 最新の研究結果では、猫は、食べものを食べたり、もので遊んだりするよりも、人との触れあいを重視しているというような、非常に人間にとってかわいい存在でございます。 ぜひとも、こういった殺処分を軽減していただきたいと要望して質問を終了いたします。 ありがとうございました。 ○議長(坂本智徳君) 本日の会議は、これにて終了いたします。 明日は、定刻より本会議を開き、一般質問を続行いたします。 本日は、これをもって散会いたします。     -午後3時42分 散会-...